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市原、今平、堀川が全米オープン切符
1日36ホールの長丁場を65、66の通算13アンダーとみごとにまとめてトップ通過を果たした市原は、あと2日で37歳。
トレードマークの笑顔にちょっぴり疲労を浮かべて「よく元気な状態で完走出来たなという感じ」と、まずは嘆息した。
先週から好調だっというパットに、ミスを最小限にとどめるショットをかみ合わせて昨年の「日本ゴルフツアー選手権」で国内メジャーを初制覇した貫禄を見せた。
全英オープンには昨年も含めて3度の出場経験があるが、全米オープンは初めて。「こうして門戸を広げて頂いた中でチャンスを掴んで出させて頂けるので、頑張りたい」と、主催者への感謝を忘れず「向こうのプレーと差を感じることはあると思うが、そこはあまり見ずに自分のプレーをしたい。自分のプレーがしっかりできれば日本人も上に行けるのではないか」。
いつもの穏やかな口調の中に、初挑戦の闘志をにじませた。
今年の会場のペブルビーチゴルフリンクスは"師匠格"の谷口徹も経験している屈指の名門コースだ。
「早急に電話しないといけないですね」と報告がてら、秘策を聞き出す。
続いて通算12アンダーで、2位通過の今平。
今年はマスターズにも初出場を果たすなど、賞金王としてキャリアを重ねる中で、2年ぶり2度目の全米オープンにも静かに闘志を燃やす。
2週前には全米プロから帰ったばかり。メジャーでの経験を増やせば増やすほど、課題が増えていくようで当地では練習場で、韓国系NZのダニー・リーがやっていた打ち方をこの日も取り入れたり、試行錯誤を重ねる中での出場権獲得だった。
この日も、「もう少し飛距離を伸ばさないとメジャーで通用しない」と、繰り返した。
「2年前は出られて嬉しかったが今回はしっかり結果を残したい」と、力をこめた。
そして3枚目のラストカードをつかんだのはチャンキムと通算11アンダーの同スコアで並んでプレーオフに臨んだ堀川。
2ホール目に10メートルもあるバーディパットをねじ込み、初のメジャー切符をもぎ取った。
この最終予選会の出場権を得ることすらこれが初めてといい、初挑戦で「まさか通ると思ってなかった」と、最後は我知らずガッツーズも飛び出した。
ふいの渡米までもう半月もないが「想像できない。レベルもそうですけど、敷居が高い試合」と右も左もわからぬ参戦も、同級生と一緒というのは心強い。
賞金王と同い年の26歳。「彼は去年も含めメジャー全部出てますし、活躍しているのは同級生として嬉しいし、悔しいし、追いつきたいし、心強い」。
ジュニア時代からよく知る今平と共に舞台を踏めるというのは願ったりだ。