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コロナ禍の新人名鑑/ 桂川有人(かつらがわゆうと)「戦友のバラエティ進出に発奮!」
「拓実は、いつもほんとにあのまんま」。
ついこないだまで、共にナショナルチームでしのぎを削った良きライバルは、ああいう場面でさえ普段とちっとも変わらない。
落ち着き払った様子で、MCの浜ちゃんこと浜田雅功さんと談笑する金谷に改めて感心して観ていたら、日大同期で共に今年プロデビューを控える清水大成(しみずたいせい)から
「今度は僕らが拓実と並んで座れるように頑張ろう!」とのラインメッセージが届いた。
「みんなで番組共演できたらいいね」と返信した。
戦友の”バラエティ進出”が、大いに刺激に。
「僕らにとって拓実は身近でありながら、まだまだ遠い存在です。凄すぎて……。ゴルフとの向き合い方など、せっかく近くで勉強させてもらいましたので、プロの世界でも拓実に少しでも近づけるように精一杯、頑張っていきたいです」と、2人揃って決意も新た。
桂川有人(かつらがわゆうと)もまた、昨年10月にプロ転向を表明したコロナ禍の新人。異例の形で行われた昨12月の特別QTでは、4日目の最終日に盛り返して17位→9位に上昇。
上位10人に与えられる狭き門はどうにかくぐっても、ツアーの出場優先順位は2020年時のQTランクの間に組み込まれるため、99番目にとどまった。
「大事な年に、大変なことになってしまった」と、先行きを案じた時期もあったが「それでも、ツアーメンバーになることはできましたし、今年はAbemaTVツアーにも出させていただける。このチャンスを生かして頑張ろうと、今ではトレーニングや練習にも前向きに取り組んでいます」と、声も明るい。
物腰は柔らかだが、大舞台にも動じない精神力は単身フィリピンで過ごした高校3年間で培った。留学中は、マニラサウスウッドというゴルフ場のクラブチームに所属し、プロの試合でも好成績をおさめるなど自信をつけて帰国。
進学を決めた日大では、ナショナルチームに選抜されて活躍した。
昨年の日本オープンでは19年大会に続く2年連続ローアマの快挙にも迫るなど、日本ツアーでも幾度か優勝争いを演じた。アマ時代から、国内外で研鑽を積んできた逸材の一人もまた、4月の開幕を今かと待ちわびる。
2月24日に、リモートで行われた主に新人向けのセミナー「JGTOツアーメンバーガイダンス」には、愛知県清須市の実家から参加。
プロとしての心得を学ぶ全8項目の中でも、桂川が特に熱心に耳を傾けた講義は「SNSの適切な利用方法」だ。
自身もインスタグラムのアカウントを持つが「使い方次第では、影響が大きくなる場合もあるというお話を聞いて意識が変わりました。これからは、載せる内容やコメントにいっそう責任を持たなくては」との自覚も芽生えた。
学生時代は試合の戦況報告がもっぱらだったが、「今後はスイング動画やレッスンにも挑戦していきたい」と講義を参考に、SNSを使った今後のPR戦略にも頭を巡らす。
フォロワー数は、現在900人。
「具体的な目標数というのはないですが、ひとりでも多くの方に知ってもらいたい。子どもたちにも憧れられるようなプロゴルファーになりたいです」。
まずは結果でバズりたい!