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米デビュー戦の木下稜介がハワイに向け出発
14日から始まる「ソニーオープン・イン・ハワイ」に、JGTO招待枠で米ツアー初出場を果たす。
コロナ禍での渡航準備でもっとも神経を砕いたのはやっぱり、まずはもちろん感染予防対策だった。「陽性が出たら、行けなくなってしまう…。それだけはかなり注意して、年末年始を過ごした」という。
渡航者に義務付けられている事前のPCR検査は、出発から72時間前にあたる5日午前に、大阪市内にあるハワイ州指定の検査機関で受診。
同日午後には無事、陰性の通知を受け取った。
その場で陰性証明書の発行を申請した。
「そのほかにも、エスタ(米国用電子渡航認証)や、入国時に提出する24時間前の健康チェック表とか。事前に用意しなければいけない書類が山ほど。大変でした……」。
慣れない事務処理には出発前からグッタリだが、「これでようやく(米)デビュー戦を迎えられると思うと、すごく嬉しい…!」。
渡航準備の合間をぬって、過去のハイライト映像で、会場のワイアラエCCの攻略法も研究してきた。
「飛距離はそんなに要らないコースと思うので、僕ら日本人にも向いていると思います。あとは風次第ですけど、風のゴルフは得意だし、調子も良い状態に持ってこられた。今の自分でどれだけ通用できるか」。
あとは、現地に行ってのお楽しみ。
せっかくの米初参戦。無観客での開催は、やっぱりとても残念だが「雰囲気にのまれないという点では、逆にチャンスかなと思います。普段どおりにやって、ここからゴルフ人生を広げていければ」。
7月には初メジャーの全英オープンも控えるだけに、なんとか成果を土産にしたい。
コロナの影響で、通常より出国に時間がかかるとのうわさを聞いて、奈良の自宅を早めに出てきたが、一都三県を対象とした緊急事態宣言の発出が決まった影響もあってか、空港はどこもガラガラで、手続きも思いのほかスムーズに済んだ。
スーツケースにはマスクと消毒液と一緒に、ありあまるほどの闘志も忘れず詰め込んできた。
「行ってきます! 来年のシード権が獲れるくらいの順位を目指して頑張ってきます」。
出国ゲートをくぐる背中が弾んだ。
※14日にハワイのワイアラエCCで開幕する「ソニーオープン・イン・ハワイ」には木下のほか、昨年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」でツアー初優勝を飾った香妻陣一朗と、同「ダンロップフェニックス」でプロ初Vを達成した金谷拓実らが、JGTO招待枠で出場する予定です。