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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2020
惜敗の岩田と谷原。「もっとうまくなりたいだけなんですよ、僕は」
単独首位からの逃げ切りを狙った岩田寛は、5年ぶりのツアー3勝目を逃した。
もつれて入った17番パー5で、混戦を抜け出す絶好のチャンス。1メートル弱のバーディパットはしかし、カップの左を抜けた。
最後18番パー3は、ティショットを左のラフに外した。
アプローチは1メートルに寄ったが、「全然ラインが違った」。
逆転負けを喫した。
優勝を意識して臨んだこの日は、「ラウンド中、ずっと息が浅くて苦しかった」という。
こんな時は、大きく崩れがちだが「それがなかったのでよかったです。もっと練習していこうという気になりました」と、惜敗を受け止めた。
谷原秀人は、10月の日本オープンに続いて、またしても2位で終わった。「あそこ、獲れなかったのも、ねえ…」と、取りこぼしたチャンスホールの17番パー5を悔やんだ。
最難関の18番はワンオンしても、バーディパットは長かった。
2パットパーで、プレーオフに進めるところを、ファーストパットは大きくショート。
「あれでも、ばちーんと打ったんですよ。でも全然届かなかった」と、1差に倒れて悔しがった。
17年から欧州ツアーを股にかけて戻ったが、「まだ下手なんですよ。もっとうまくならないといけない。中途半端なんですよ」と、42歳は相変わらず自分に厳しく貪欲だ。
「もっとうまくなりたいだけなんですよ、僕は。日本のレベルを上げていきたい」。
世界中を見て歩いてきた男は、歯がゆそうに今年最後の苦杯をなめた。