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木下稜介は「改めてヒデキの凄さを実感」/ 米ソニー・オープン・イン・ハワイ最終日

改めてヒデキに敬服です©JGTOimages
木下稜介は米デビュー戦を、3連続バーディで締めた。
後半の7番パー3は9Iで、2メートル半のチャンスにつけた。
8番では8メートルの長いバーディトライも沈めた。
最後の9番パー5は、ティショットを右に曲げながらも2オン2パット。

「順位としては、下のほうでも諦めてしまえばそこで終わり。今後につながるように、最後まで1打でも上を目指した」と、オーバーパーから盛り返して最終日を「69」でまとめた。

初めての米参戦で4日間を闘い抜いた。

だが、「もちろん結果には、満足していない」。
通算6アンダーの67位タイにも「気持ち的にはオーバーパーで上がったような感覚。レベルの高さばかりを感じた4日間になりました」。

芝質の違いに戸惑うばかりの4日間でもあった。
「フェアウェイから打っても下が固くて全部オーバー。逆に、ラフからだと飛ばなくて、全部グリーンをショートしました。全然、対応できなかった」と、この日はみすみす4つのボギーも悔やまれた。

「ドライバーの飛距離では、勝てない。僕より体の大きな選手に対抗するには、アプローチとパターの精度」と、痛感。
「逆に、そこが超上手くなれれば、やっていけるのではないか…」と苦戦の中で、今後の課題も浮き彫りに。

パワーの差に打ちのめされながらも「アイアンショットに関しては、まだ戦えると思う」と、一点でも手応えが持てたことも収穫だった。

11日の月曜には、同じ四国でジュニア時代から旧知の松山英樹との練習ラウンドも実現。
「マックス40ヤードは負けました。圧倒的な飛距離の差を感じましたし、ショートゲームも本当に上手くて。こんな厳しい環境の中でも世界ランキングを維持している。今回、出させてもらって改めて、ヒデキの凄さが分かった」と、偉大な同級生にも敬服。

米初戦にして予選通過を果たした大会2日目には即、ラインで「ナイス!」とのメッセージを届けてくれたという松山。
翌日、コースで改めて顔をあわせた際には、木下に帰国時用のPCRの検査時間が迫っており、ゆっくり話ができなかったのは残念だったが「いろいろ学ばせてもらって、改めてありがとうと言いたいです」。

今夏、初メジャーに挑む「全英オープン」でまた会える。
「いつか、自分もヒデキのように米ツアーで戦いたい。壁は、非常に高いんですけど、超えれられない壁ではない。もっとレベルアップして、また帰ってきたい」と、さっそく次の再会に備えて試合後もじっとしていない。
「明日の月曜日も練習です」と、19日の帰国ぎりぎりまで、現地の近隣コースで打ちこむ。

コロナ禍による特別措置として、主催者からJGTOに提供された特別招待枠により実現した、米初挑戦だった。
「今後のゴルフ人生にも、必ず大きなプラスになると思います。チャンスを与えてくださった方々にも心からお礼を言いたいです」。
スポンサーへの感謝も忘れず、初舞台を辞した。

なお大会優勝は、通算21アンダーでケビン・ナ。
松山は6打差の19位タイ。
小平智は通算9アンダーの56位タイだった。

そのほか、石川遼と香妻陣一朗、金谷拓実は15日の第2ラウンド終了時点で予選落ちした。

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