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ゴルフパートナー PRO-AM トーナメント 2021
謎の新人・大西魁斗がプロ17日目の快挙へ
通算7アンダーの17位タイからスタートした前日3日目に「62」。
9番(パー5)は、DRの第1打で318ヤード飛ばして8メートルに2オン。イーグルを奪うなど、「向こうはとにかく飛ばしてそこから考えるプレーが多い。攻撃的なプレーが多いと思います」。
アメリカ育ちの片りんを示した。
「100ヤード以内のショットが近くによってくれた」と、そのほか6バーディでスコアを伸ばした。
「(主催の)ゴルフパートナーさんにこの機会をいただいた。感謝の気持ちで一杯」と、頭を垂れた。
「予選通過という目標で、ベストを尽くして上にいければいいと思っていた。でも、ここまできたら優勝したい」。
祖父の影響で、5歳でゴルフを始め、9歳でアメリカにゴルフ留学。13歳からスポーツの名門「IMGアカデミー」に入り、テニスの錦織圭さんや西岡良仁さんなど、トップアスリートに揉まれて5年を過ごした。
南カリフォルニア大学時は、コリン・モリカワやマシュー・ウルフらとしのぎを削り、オールアメリカンにも選出された。
昨年5月に卒業し、「日本人なので、日本から始めたい」と、コロナ禍で行われた10月の特別QTに挑戦したが、1次敗退。今年のツアー資格はまだないが、今大会から主催者推薦をいただき、今月7日にきゅうきょプロ宣言。
いきなりV争いに加わり、「トップ10なら来週出れます…? そこを目指しますけど、優勝が一番早い」。
2013年の松山英樹の2戦目を抜く、日本人最速と史上初の初戦V(1999年のJGTO発足以降)の偉業もにらむ。
現在は内藤雄士コーチに師事するが、師匠は米3勝、日本10勝の丸山茂樹だ。
ジュニアの試合を通じて長男・奨王(しょうおう)さんと親交を深めたご縁で、今もときどき指導をあおぐ。
「去年夏にもアメリカで回らせていただいて。自分に足りないものがまだ一杯。見るだけで勉強になります」と、成長途中の22歳。
キャップに「MADI」と、大きなロゴは、スポンサーなどではなく、ロスから車で3時間くらい行ったところにあるゴルフコースのもので「自分の好きな帽子をかぶってきました」。
この日のウェアも、母校ゴルフ部のユニフォームだ。
「こないだ、プロになったばかり。ウェアもクラブも、契約はまだこれから。なんにも決まってません」。
プロ入り17日目のプロ初優勝なら、引く手あまただ。