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日本プロゴルフ選手権大会 2021
スゴいよスゴいよ! 48歳、片山晋呉が心酔する人
片山晋呉が6バーディ、1ボギーの「66」。
5アンダーで03、08年に続く大会3勝目の偉業に好位置だ。
雨のゴルフは嫌いじゃない。
でも、この日は昼過ぎまでかなりの雨量に降られて「いやいや…おじさんは、歩くだけでも大変よ」と、顔をしかめて苦笑い。
でも、「ここは昔、日本オープン(03年)もやったけど、技術がちょっといるじゃない? バンと行って、ブンとやってハイハイ…って、そういうコースじゃない。そういうほうが僕は勝ってるし、自然と気持ちと合ってくる」。
充実の顔にベテランの自負がちらつく。
この日、片山と同スコアで並んだ岩田寛が語ったのは、18年も前の片山とのここ日光での思い出ばなし。
過去の逸話が後輩たちの口からたびたび飛び出すだけなく、今も若手の目前で現役バリバリ。
同じく今年、目覚ましい活躍を続ける日大同期の宮本勝昌とは、今ではライバル同士というより、尊敬しあえる仲間といった感じ。
「いや、だって…最近よく休みの日にスポーツ選手とか、経営者の方とお会いするけど会社でも、なかなか20年とか経営も上手くいかない。僕らだって色々あって、荒波もあって、2人で乗り切って、僕なんか揉まれて一度どっか行っちゃって。それでもまた浮き出てきて、2人でこうして頑張っているわけで。よくやってるねって。幸せだねって」。
戦友とゴルフ人生を噛みしめる日々。
今や歩く伝説だがこの日は、そんな片山でも背筋が伸びる人とのラウンドだった。
同組で回った寺西明(てらにし・あきら)プロは、兵庫県加古川市で200人余の社員を抱える製造業の社長をしながら、49歳にしてプロテストに合格すると、54歳の昨年はついにシニアツアーの賞金王に。
「僕も50歳からのことを考えてるから。寺西さんには以前から、僕からお話を聞きに行ったり、教わりに行ったり」。
交流はあったが、試合で回るのは、これが初。
普段、シニアツアーを管轄する公益社団法人日本プロゴルフ協会(PGA)主催の本大会では、こんな稀有な組み合わせも実現するから面白い。
「今日は寺西さんと一緒だったんで、しっかりしなきゃ、と。いやもう、ゴルフも凄いし、改めて今日一緒に回って、本当に凄いな、って。尊敬するわ〜って。ほんと凄いんですよ」と、上がってからも、スゴイスゴイを連発だ。
「何が凄いって……? 凄いんです。いやもう、見たらわかります。凄いんですよ。ほんと、凄いとしか説明できませんっ」。
心酔の人と、翌日の2日目も同組で回る。
若手の台頭が目覚ましい昨今。
今年3試合目の有観客試合では、こんないぶし銀のペアリングもぜひ!!