ツアー通算8勝で、2014年に賞金王に就いた。
地元が誇る歴代キングが、地元の期待を背に真夏の芥屋で気力を絞った。
小田孔明(おだ・こうめい)が、ボギーなしの「66」で上がってうめきを上げた。
「死にそう・・・」。
この日の最高気温は36度。
朝のローカルニュースで気象予報士さんが、熱中症アラートに「厳重警戒」の文言を付け足して強調した猛暑日である。
「きょうはほんと、途中でわき腹つりそうに・・・」という窮地を、塩飴とスポーツドリンクでなんとか回避。
プレー後は即、夏の日課にしている氷風呂を切望し「早く浸かりて~」と、悲鳴を上げた。
45歳には、余計に堪える真夏の戦い。
気が遠くなりそうな暑さに耐えられたのは、予選日から駆けつけてくれた地元の声援。
2015年から優勝が遠のいたまま、今年は予選落ちも目立つため、「(予選の)木・金に来た方がいいよ」と、張本人が応援者に異例の呼びかけ。
「それで、今日も仕事を休んで一杯来てくれたんです。今日は満足して帰ってくれた」と、首位と1差の好発進に安堵した。
芥屋ゴルフ倶楽部が2019年に改造に着手する以前の2007年と2015年に、2位2回。
「でも変わってからは、スーパー速いグリーンになって、バンカーも増えて苦手なんです」と、今年も不安だったがスタートの1番で左に曲げたティショットが、50回記念の特設看板に当たって出てくるラッキーに、ベテランが小躍り。
「フォアキャディさんが、看板がなかったらOBでした、と。ありがとうございます~って。パーで上がれたから気楽になって、バンカーに入れないように気を遣って、ノーボギーやったですね。満足です」と、大喜びした。
「明日は、まず予選を通ること。そしたらまた土日もみんな見に来てくれる」と選手会副会長は、真夏の地元試合で集客にも懸命だ。