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日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップ 2003

『1日寝れば、また良い感覚が戻ってくる』ミスを翌日まで持ち越さない、3位タイの手嶋多一

1番で3メートル半につけバーディを奪ったシーン。「明日は伊沢さんとの最終組。僕は最終組での優勝争いがやりやすい。常に相手のプレーを確認しながら、まわりたいタイプ」と手嶋
手嶋の趣味は“寝ること”だ。ヒマさえあればいつでも、どこででも寝られる。そうやって、過酷な転戦生活の疲れを癒す、クセがついている。
寝ればその日、悪かったものもすべて消えて、また新しい流れが来る、という発想でもある。
この日3日目は、あがりの15番ホールから、ショットが左に曲がりだした。前の14番で伊沢がボギーとし、自分が単独トップに立ったことで、「力が入ったのかもしれない」と振り返る。そのあとも、嫌な感覚は続き、今度は、最後の18番で1メートルもないパーパットを外した。
伊沢に先に10メートルものバーディを決められて、「絶対に入れて1打差で最終日」と思うあまりに3パット。
しかしホールアウト後、手嶋はパッティンググリーンで軽く球を転がしただけで早々にコースを引きあげた。
打撃練習場で左に曲がりだしたショットの修正は、しなかった。「悪いイメージのときに必死で打つと、かえって悪いものが身についてしまう」からだという。
「それより、今日しっかりと寝れば、きっとまた良い感覚が戻ってくる」。
この日のゴルフは、この日のうちにすべて洗い流して、新たな気持ちで最終日最終組に挑む。

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