プロ19年目の昨季、4月の「中日クラウンズ」で通算5勝目を飾った。
若手の台頭にあって、40代の優勝は、一昨年に続いて岩田と大学先輩の谷原秀人と、昨年はフィリピンのパグンサンも加えて3人だけ。
「優勝できたのはよかったです。でも、そのあとは調子が悪いときもあって、そういうときに諦めちゃったりしてたので。台無しですね」と、反省している。
「くせになっているので。かなりの覚悟がいる」と、肝に銘じて臨んだ今月最初の豪州とアジアの「ニュージーランドオープン」は、1打及ばず予選敗退。
でも、「最後まで諦めずにやれた。調子が悪くても、ぎりぎりカットラインの近くにはいられた」と、昨年の悔いは活かせて安堵した。
今年の目標は、大きいものや「日々のこともありますし」と、こまごましたのも合わせて、数え切れないほどある。
写真は昨年9月の試合で、後輩プロの赤ちゃんを抱っこさせてもらったときのもの。
扱いには慣れないが、子どもは大好き。
「僕も欲しいですし、諦めていませんよ」と、それも多くのひとつに違いない。
昨年の欧州と日本共催「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」では日本勢最高位の4位に入ったが、優勝したルーカス・ハーバートと直接、競り合うまでには至らなかった。
「今度は海外の選手と争ってみたい」と、今年は静岡県御殿場での開催に、43歳の心を燃やす。
「中日クラウンズ」では、青木功(78ー80年)とジャンボ尾崎(96ー97年)に続く大会3人目の連覇と共に、青木(73、75、78ー80年)とジャンボ(87、92、96ー97年)の5勝に次ぐ、最多の3勝目もかかる。
シーズン最後の賞金ランキングでトップ3位に入れば、欧州・DPワールドツアーの出場資格もある。
権利を活かして今年、星野陸也が昨年の久常涼に続く欧州ツアー初制覇を達成した。
またアジアンツアーでは、昨年の金谷拓実に続いて幡地隆寛が、ニュージーランドで快挙を達成したばかりだ。
「海外での優勝が続いていて。今までになかったことなので、すごく良いこと」。
自身も2016年に、PGAツアーに参戦した経験を持ち、「興味はあります」と、再挑戦にも虎視眈々。
地元仙台で、今オフも黙々と調整に励んできたが、「今年の冬は凄く暖かい日があったり、ここ何年間ではいちばん雪も多かったり」と、気候変動を感じる。
3日前には、鳥山明さんの突然の訃報にもショックを受けた。
この日、13年目の3月11日はいつものように、故郷の海を見下ろす仙台カントリー倶楽部で、14時46分のサイレンに合わせて黙祷を捧げた。
あの日、あの時刻は沖縄合宿からの帰路で、岩田を乗せた飛行機は、仙台空港の上空で旋回。きゅうきょ沖縄に引き返して難を逃れている。
「地震速報を見るたびに、思い出します」。
今年は1月1日に、能登半島地震が発生。知人が一時、避難を余儀なくされたが、ケガなどがなかったのは本当に安堵した。
ここ数日は、千葉などでも地震が続いており、そのたびに震度の大きさを注視し、「揺れが小さかったらいいのに」と祈る思いは増していく。