賞金1位の資格で参戦を開始して6戦目。
日本勢としては、青木功、松山英樹と久常涼、星野陸也に続く5人目の快挙となった。
第1ラウンドから首位を走り続けた中島は、4差で最終ラウンドに入ると1番で5メートルを沈めるなどリードを広げ、後半に折り返した頃には下位に9差もあった。
後半14番でダブルボギーと16番からは、3連続ボギーでフィニッシュした。
「少し緊張してしまい、バックナインは自分のプレーができなかった」と悔しがったが、それでも通算17アンダーは、4打差の完全Vだった。
「後半はタフなホールがつづくので、打ってしまいましたがそれまでの貯金があったので。自分のゴルフを褒めたいと思います」と、中島。
日本ツアーでは、すでにアマプロ通算4勝だが「プロとして初めて優勝したような気持ちでいっぱい。新しいキャリアを積むことができたことを、とてもうれしく思っています」と、新天地での初勝利を喜んだ。
「目標はDPワールドツアーでトップ10位に入り、来年のPGAツアーでプレーすること。この目標を、今年中に達成できるように引き続き頑張ります」などと、V会見も当たり前のように、すべて英語でこなす様子が頼もしかった。
折しも、今週は国内男子ゴルフの開幕戦。
足並みを合わせるような中島の活躍に、昨季、中島と熾烈な賞金レースを繰り広げた金谷拓実は、大会2日目に中島とラインで応援メッセージを交換しており、2人仲良く同日Vを達成。
アマ期から競い合う無二のライバルが、遠く海を隔てて力を分け合ったのはあきらかだ。
日本勢の欧州ツアー制覇はこれで5人目となった。
1983年の「パナソニック欧州オープン」で、最初に青木功が日本勢優勝を達成したのも、今回の中島同様に、初日から首位を走る完全Vだったそうだ。
2人目はその33年後。松山英樹が16年の「HSBCチャンピオンズ」⇒17年の「ブリヂストン招待」⇒21年の「マスターズ」と続け、昨年は「フランスオープン」での久常涼の偉業に沸いた。
そして今年2月には、一昨年の賞金2位の星野陸也が「カタールマスターズ」で4人目を達成したばかり。
星野も中島も、日本ツアーの賞金ランキングで資格を得て挑戦を始めた形で、同一シーズンに、日本から2人も勝者が誕生したことを欧州ツアーも高く評価しており、今後もこの流れは続きそうだ。
来月の25ー28日には静岡の御殿場で欧州日本共催「ISPS HANDA 欧州・日本どっちが勝つかトーナメント!」が控えている。
凱旋帰国が楽しみだ。