シビアなピン位置にスコアが伸び悩む中、中国の張連偉は、同組の杉原輝雄からヒントを掴んでベストスコアタイの66をマークだ。
前日初日、固く速いグリーンに対応しきれず苦しんだ。そのかたわらで、杉原は面白いようにパットを決めていく。杉原の絶妙なタッチに舌を巻いた張は、自分との違いをそっと横目で観察してみて、気が付いた。
「杉原さんはグリーンのスピードが速ければ速いほど、ゆっくりとストロークしていた。僕はずっと、その逆をやっていたんです」早速、杉原のフィーリングを真似してストロークしてみると、途端に効果が現れた。7バーディ（1ボギー）のゴルフで、あっという間に予選通過の圏内に浮上だ。

そのかわり、良いイメージを与えてくれた最強の“パートナー”は残念ながら予選落ちしてしまったが、65歳の強烈なゴルフは、張の脳裏に刻み込まれた。「ウッドで高い球を打ち、グリーンに止めてくる技術。素晴らしいアプローチとパットでスコアを作るしぶといプレー・・・。体のパワーもゴルフのフィーリングもほんとうに素晴らしい。これぞゴルフ、というのを見せてもらいました」と張。
「杉原さんは世界一の65歳。僕が65歳になってもきっとあんなスコアでは回れないと思うよ」と、今大会ホストプレーヤーを、ベタ誉めしていた。