両脇に長いラフが生い茂る難コースで、「全部フェアウェイキープができた」と、この日はお約束の率100%を記録。
6バーディと、1イーグルは2番パー5でPWを使った131ヤードの3打目がカップに入った。
「ところどころ狭いところはあるが抜け道はある。狙いどころが1ホール1ホールわかりやすいので」と、昨年まで8季連続曲げない男にかかれば、フェアウェイ幅わずか20ヤードのルート攻略も、さほど難しいことではない。
むしろ、「フェアウェイキープより難しい」と、いま稲森を悩ますのは、今季開幕戦で芳賀キャディに誘われてハマったというダーツのほう。
ハマりすぎ、初めて行ったその日に“マイダーツ”を購入したほどで、いまそちらの攻略に懸命だが「ゴルフで言えば、まだ100も切れないレベル」。
実はいま、男子ゴルフでひそかなダーツブームが来ており、その中でもプロ5季目の片岡尚之(かたおか・なおゆき)はプロ級の腕前といい、稲森も追いつきたいと懸命だ。
「ゴルフとの共通点は集中力」。
本業にも生かせる趣味で、ビッグタイトルに狙いをすます。
2013年から2年連続で、かつてここ、富士カントリー可児クラブで行われていたABEMAツアー前身のチャレンジトーナメントに出場し、予選敗退&10位タイ。
まだ、お父さんとキャンピングカーで転戦し、道の駅で停泊していたころだ。
「めっちゃ打たされました。あのときは、自分もまだ経験が少なかったし、全然通用しなかった」という難コースで、「日本オープン」(2018年と2020年)に続く2個目(3度目)の日本タイトルのチャンスだ。
今年2月に、岐阜県在住の渡辺専属トレーナーの紹介で、本大会の下見をかねて回らせていただいた際には、雪と大風という条件下で2アンダーをマークしており今度は、猛暑の富士可児(ふじかに)をいかに克服できるか。