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南秋田カントリークラブみちのくチャレンジトーナメント 2024

古川雄大がどん底からのプロ初優勝を南秋田で飾る!

通算11アンダーの暫定首位からスタートした古川雄大が通算13アンダーで、36ホールの短縮競技となった難しい試合で、嬉しいプロ初優勝を手にした。

 

2日目の競技がサスペンデッドになったことで大会は短縮競技になることが決まり、この日はセカンドラウンドの残りのプレーのみが行われた。古川が残していたのは7ホール。最終日となったこの日の古川の目標は残り7ホールで3つ伸ばすことだった。

目標には1ストローク足らなかったものの、プロとしては生涯の思い出となる1勝目を手にすることができた。

「優勝の実感はまだ無いですね。(プレー中は)いっぱい、いっぱいでとにかく自分が想定したスコアで回ることだけを考えていました。そこに集中できていたので、結果的に優勝に繋がったのかなと思っています」。

 

優勝を経て、今後の目標は?と記者に問われると、すぐには答えることができなかった。優勝の実感そのものが湧いていないこともあるが、それほど今週に試合に関しても自分への期待度は低かった。

 

古川は福岡県出身で、福岡第一高校時代には九州アマを制するなどの実績を持つ。2019年にツアープロ転向し、プロ初年度となった2021-22年シーズンは『日本ゴルフツアー選手権』で優勝争いを演じるなど、上々の成績でプロ1年目にシードを獲得した。

22年も好調な滑り出しで、いつ勝ってもおかしくないと期待される新人だったが、思わぬ怪我のアクシデントがあり、その辺りから調子は下降線をたどることになる。その年はシードも喪失し、翌年のABEMAツアーでも全く成績は振るわなかった。

「一時はゴルフを辞める選択肢も浮かんだ程でした。ただ、怪我がきっかけになったのかというと、実はその前の年の日本シリーズあたりで、自信は結構無くなっていたんです。レギュラーツアーで優勝を狙える位置でプレーできたこともあるんですが、予選は通っても、決勝ラウンドで崩すということが多かったので、自分のゴルフでは通用しないという感覚をあの時は持っていました」。

 

身体も気持ちも前向きになれない中、ゴルフを辞めることまで考えた古川が、それでもゴルフを続けたのは、やれることだけをやるしかないと思ったから。

「今回の1勝はプロとしてやっていく上で大きな1勝になったと思いますし、前を向く要素になったことは間違いありません。今回は最終日、最終組という形ではありませんでしたが、今後そういう優勝争いができる機会があったとしても、自分のプレーをすることに集中すればいいのかもと思えましたし、少なからず自信になりました」。

正直腐っていた部分もあると当時を振り返る古川だが、どん底に落ちたからこそ、技術的なことに関しても、メンタル的なことに関しても気づけたのかもしれないと話す。この1勝は単なるプロ初優勝ではなく、苦しみ続けた約2年の努力に意味を持たせる大きな1勝になったに違いない。

 

ただ、この1勝はもちろん通過点。残りの試合で2勝目、3勝目を目指し、そして再びレギュラーツアーへ戻ることが目標だ。今まではその目標に対して、不安要素が大き過ぎたため、本気で向き合うことができなかったが、この1勝は再び前を向く大きなきっかけになりそうだ。



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