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フジサンケイクラシック 2024

平田憲聖がつかんだ異例尽くしの通算4勝目

通算4勝目は、最終日にプレーをしない異例の優勝になった。
だが、平田憲聖(ひらた・けんせい)は「今までで一番ドキドキした朝でした」と、明かした。


3日目の第2ラウンドを「63」で回り、通算9アンダーの暫定トップで終えていた。
予定通りに54ホールで決着するなら、第3ラウンドのスタートは正午すぎ。

しかしこの日は朝6時前に目が覚めた。

「窓越しに天気を見たりベッドの上でドキドしながら、YouTubeを見たりして、気持ちを紛らわしていた」という。

7時08分に36ホールの決着が決定し、8時すぎに来場すると、今度はスコアボードに気が気でなかった。
細野やノリスが2打差で迫り、追いつかれればプレーオフもある。

「いつもどおり、朝のウォーミングアップをして。どうなってもいいように」。
準備を整えながらも、後続の結果が出るまでドキドキは収まらなかった。



前日3日目の9番ホールで沈めた7メートルのバーディトライが勝利のパットになった。

「これを入れるのと入れないのでだいぶかわってくる。キャディさんと読み合って、ショートだけはしないように」。
今季2度目の水シャワーも、高橋キャディと共に浴び、「何回かけてもらっても嬉しいですし、かけようと思って待ってくれる気持ちが一番嬉しいです」と、仲間にも感謝。




      表彰式に仲良し家族がいない優勝は、通算4勝目で初めて。
      きゅうの短縮決定で、間に合わなかったそうだが、帰りは一緒に地元大阪へ。

      「大谷翔平さんのワンちゃんは始球式とかしてスゴイ。ぼくんちの犬はあんなことはできないけど、久しぶりに帰れるのでわさわさ撫でてあげたいな」と、ニコニコしたが、高橋キャディによると、勝負がかった時の平田の気迫は近寄りがたいほど。

      「自分では、人に比べて何が得意とかはあまりないと思っている。だからこそ練習だったり、コースチェックだったり、マネジメントをして難しいところに行かないように」。
      徹底した予習でモンスターとも呼ばれる難コースを攻略した。

      豪雨で2日かかった第1ラウンドでは、2アンダーでこらえた。
      「天気予報は晴れなのに、出かけようとした瞬間に大雨が降ったり」と明かす自称・雨男は、「粘り強さが武器。雨が降ったり難しくなるほど持ち味が生かせる」と言い、「むしろ雨が降ってくれたほうがいいなと思いながらプレーした」という。

      「まさか、こんな形で勝てるとは思っていなかった」という異例の今季2勝目で、賞金ランキングは4位に浮上。

      昨季賞金王で同学年の中島啓太(なかじま・けいた)に刺激は受けるし、「賞金王というのはすごい魅力的」とは思うが「じゃあ残り試合でそれを目指して戦うかっていうと、そうではなく、毎試合毎試合、いつもどおり頑張るという気持ちは変わらない」と、雨男はいつもクールだ。

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