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ダンロップフェニックストーナメント 2024

佐藤大平 ウッズのサインとフェニックスの思い出

偉大な大学先輩にさっそく初日から、2週続きの好調ぶりを見せることができた。
プロ10年目の初Vを目指している佐藤大平(さとう・たいへい)が、6アンダーの「65」で回り、1差の単独トップに立った。




100万本もの松が空中でハザードを作る難コースで「自信を持ってティショットが打てている」と、7バーディと、ボギーは後半3番のひとつだけ。
「きょうはピンチというピンチもなく、いいゴルフができた」と、上りの7番から、短いチャンスを打ち続けて、3連続バーディで上った。

一昨年も、初日は首位発進だった(結果8位タイ)。

砂地の上に敷かれたベント芝のフェアウェイが選手たちの選択を悩ますが、佐藤は1回2週間程度で組む冬合宿ほか、シーズン中にもわざわざ練習しに来るそうだ。
「芝の上から打たせてくれたり環境もいいですし、1日中いさせてもらえる。夜8時くらいまで練習できる」という馴染みのコースで、「気持ち的にも楽にゴルフができています」と、引き続きの好調と、好相性を漂わす。

先週の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で今季2度目、自身4度目の最終日最終組を経験した。

1差の2位から出ながら「70」と伸ばせず、6位タイに終わったが、「優勝を意識しながら、その中でもしっかりとバーディパットを打つことができた」と、手ごたえを感じることはできた。

「勝つって難しい」と、痛感せずにはいられなかったが、目の前で石川遼の大会最多4勝目を見られたのは大きい。
「遼さんは迷いがなく見えた。勝つってああいうことなんだな」と目に焼き付けての宮崎入り。

学生時代から可愛がってくれた松山英樹は東北福祉大の2学年先輩だ。
今週はまだ、込み入った話はできていないが、会場ですれ違いざま「先週、見てたよ」と、声をかけられた。

「そうやって、気にかけてもらえるのがありがたい」。

大会は、ゴルフを始めた小学生の時、出身の兵庫県宝塚市から家族と駆け付け、タイガー・ウッズ(2005年連覇)を観に来た思い出がある。
「ギャラリーが多すぎて見えなかった。まだ小っちゃかったので、間から」と、大人の足をくぐり抜けて見事にサインをゲット。
「今も、部屋に飾ってあります。ウッズを観に来た会場で、今は自分がプレーしている。あの時は、思ってもいない」。

少年時代の憧憬は、31歳の今も褪せない。
「好きなコースで、ウッズと同じボードに載れたらいいな、と思います」。
10年目の初Vを夢見る。

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