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東建ホームメイトカップ 2025
米澤蓮は2位「良い開幕だったんじゃないか」独り立ちの春
米澤蓮(よねざわ・れん)は、開幕戦を2位のまま戦い終えた。
最終日の中止も想定し、4打差の4位から3日目の逆転を期した前日は、5バーディボギーなしの「66」で回れたが、通算14アンダーで生源寺に3打及ばず。
「17番で獲れなかったのが残念。明日があればいいな、と思いますが、生源寺選手が良いプレーをされていたのでしょうがない」と、話していったんコースを離れていた。
明けてこの日は最初のスタート予定から4度の時間変更のアナウンスがあり、心の持ちようが悩ましい中、「いつ始まってもいいように。準備はしていた」と、コースに来てスタートの時を待ったが、逆転の機会を得られないまま中止に。
「天気なので、どうしようもない。3日間いいプレーが出来ましたし、良い開幕だったんじゃないか」。
昨季は5月の「中日クラウンズ」で初の岩手県勢V。
さらに8月の「横浜ミナト Championship ~Fujiki Centennial~」で2勝目を挙げ、賞金ランクは12位に。
「次は、賞金王を獲ることしか考えていない」と掲げた今年は、あえて大手のマネージメント会社を離れて独り立ち。
そもそもマメな性格で、もともと移動や宿の手配もほとんど自分でこなすが、「英語もしゃべらないと身につかないし、常にチャレンジしないと人間、ダメになる」とますます身軽に飛び回る。
豪雪の地元岩手を飛び出して、豪州やニュージーランドの試合を転戦しながら調整を重ねるのがここ数年のオフのルーティンだが、今年はその道中に、契約メーカー「タイトリスト」の米本社の来訪も組み込み、フィッティングも完璧。
「クラブも見直しましたし、ここ何年かで一番フィーリングがよく、自信を持って打てている」。
初日から好スコアを重ねて開幕からさっそく手ごたえはつかめた。
2月に発生した岩手県大船渡市の大規模な森林火災のニュースは、ちょうど豪州滞在中に見た。
帰国後も、なかなか収まる気配がなく、米澤が住む花巻市の拠点から、車で約2時間と離れた場所での災害ではあったが「心配でした」と、心が痛んだ。
「今、当地の方々が何を必要とされているのかなかなかわかりにくい状況ですが、自分もできる範囲で協力したい」と心を寄せ、「夢だったり、勇気だったりを届けられるのが僕らプロ選手の仕事。そういうところでも自分ができることをしていけたら」。
2025年、岩手の星がますます輝き始める。