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住建産業オープン広島 2002

「ドロップしたら、チャンスもないから」

 S・K・ホ、勇気ある選択

 キズだらけのバーディだ。
 520ヤードの2番パー5。残り30ヤードの第3打は、右のカート道。
 救済は受けられるが、カート道をよけてドロップすれば、前方が、木に阻まれて、グリーンが狙えない。
(ここから打つのは、とても怖いけど…) 意を決し、ピッチングサンドを握ったホは、そのまま、アスファルトの上からボールを打った。
 当然、固いコンクリートを強打したアイアンのソールは、無残な姿に。
 「また、やっちゃいました」と困ったように眉尻を下げたホ。
 以前も、同じような状況で、7番アイアンをだめにしてしまったことがある。
 また、1本、クラブを傷めてしまったが、「ドロップしたら、チャンスもなくなると思って」。
 勇気ある選択には、ちゃんと、ご褒美がかえってきた。
 球は、ピン2メートルに絡んでバーディ。
 ピンチも恐れずスコアを伸ばし、通算10アンダー、首位タイ浮上。

 先月、気胸という病気で、1週間、入院していた。
 病み上がりとは思えない好調なゴルフで、目指すはもちろん、初優勝。
 「自信も、あります」
 一見、静かなプレースタイルに、闘志を秘める。

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