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カシオワールドオープン 2001

「いくつになっても、新たな挑戦ができる人でいたい」

ホールアウト後、練習仲間の加瀬秀樹、宮瀬博文らに祝福を受ける室田。今回の優勝は、同世代のプレーヤーたちにも、大きな励みとなるだろう
8年もの歳月をかけた、室田淳のスィング改造

 ラウンドレポーターを務めた94年のマスターズトーナメントのあと、「これからは、高い弾道のドローボールが必要」と、開眼した室田だったが、毎週のツアーを戦いながらのスィング改造は困難を極めた。
 試合で理想のスィングを目指そうとすると、ゴルフにならない。まずは目の前の試合をこなすことを優先させると、すぐにスィングは元通り。
 シーズンオフに、再びトライするが、開幕までに間に合わず、結局、中途半端なまま時だけが過ぎ、とうとう6年目には、「何がなんだかわからなくなった」

 そこで、室田は決意する。
 「いったん、自分のスィングをゼロにして、グリップからやり直してみよう」
 それまでは、ウィーク目に握り、打ち込む強さで距離を出してきた。それを、思い切ってストロングに握り変えてみると、クラブの最下点がボールの真下を通過して、ロングアイアンでも、高い弾道が得られることに気が付いたという。
 オフには、毎日10キロの走りこみなどで鍛えるなど、試行錯誤の末にたどり着いたニュースィングで、この日は、ガルシア、チャンドの2人の飛ばし屋を、数ホールでオーバードライブし、室田は無邪気に喜んだ。
 「・・・飛ばさないと、勝負にならない、という意識は、僕ら選手なら誰でも、いくつになっても持っている気持ちだと思うんだ。今日の15番、そして18番・・・。今日はすばらしいゴルフができた。ガルシアを飛距離で抜いたときは、最高に嬉しかったね」長い月日をかけ、成果をあげた自分を素直に誉めた。

 もっとも、室田の取り組みは、これで終わりではない。
 「まだまだ。性能を高めるためには、もっともっと精進して、下半身も太くして・・・。やるべきことはたくさんあるんだ」
 46歳。あと数年で、シニアの年齢に、突入するが、「いくつになっても、新たな挑戦ができる人でいたい」
 そのとき、室田の瞳は、少年のように輝いた。

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