１８番グリーンの周りには、横田がプレーする最終組を見守る為、多くの選手、大会関係者が集まっていた。

クラブハウスまで戻る道のりでは、皆が拍手を送り「おめでとう」と声をかける。先程までの緊張の面持ちからやっと横田の顔にも笑みがこぼれ、一人一人と握手をしていく。

この日の横田は自分のゴルフに集中していた。スタート前、改造したばかりのスイングを何度も試す姿は、ただ自分のゴルフをする為にやってきた横田の姿だった。昨年からの不調、初めてのシード落ち、手首の故障、今までにないほどの何重ものプレッシャーが横田にのしかかっていた中での優勝。

表彰式後、「自分の力が本当にあるのか、長い間不安に思っていた中、こういう形で優勝できたことは考え深いものがあります」と、今までの道のりを思い返すように話す。「どんな優勝争いも緊張しますし、それに勝てたのは嬉しい」と、優勝から得た手応えがあったようだ。

この日、奥さんの夕子さんや３月に生まれたばかりの真子ちゃんは、応援には来れなかったが、義父や親戚が駆けつけ応援した。「（家族には）今から電話で報告します！」と、家族に支えられてつかんだ勝利。一刻も早く報告せずにはいられない様子だった。

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• 横田 真一