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ブリヂストンオープンゴルフトーナメント 2004

丸山茂樹が3年ぶりの日本ツアー参戦「もちろん、勝つつもりでやります」

満面笑顔で入場してきた丸山の表情が、ふいに険しくなった。
本戦前日の20日水曜日、行われた共同記者会見は10数台ものテレビカメラ、50人以上の記者、関係者が集まって行われた。

混乱を避けるため、東京運動記者クラブからあらかじめ用意された3つの代表質問。
その最後の問いかけに、それまで満面笑顔だった丸山の表情がふいに険しくなった。
「それは・・・いい質問ですね」と言ったきり、しばらく眉間にシワを寄せたまま、黙り込んだ。

宮里藍プロを代表する女子ツアーに押され気味の、昨今の男子ツアー。
「人気を取り戻すために、何が必要と思うか」という問いに慎重に言葉を選びながら、しかしきっぱりと丸山は言った。

「選手個々の努力でしょう」。

参戦5年目になる米ツアーでは、たとえば150人選手が出場しているとすれば、その全員が気持ちをひとつに戦っている、と丸山は言う。

「優勝したい、という気持ち。ゴルフに対する姿勢。それらすべてが、日本人選手とは大きな違いがある、と僕は思う。なぜビジェイ・シンがあそこまで強いか、エルス、タイガーがなぜあそこまでやれるか。それをまず、みんなには知ってほしい。
アメリカでは、いい加減な気持ちでやっている人間は、誰一人いないんです。
みんなが、彼らに1打でも近づこうという自覚を持って頑張れば、きっと日本ツアーも変わってくる」。

5年連続のシード権、通算3勝。
丸山自身、世界最高峰といわれる舞台でこれだけの結果を残すために、どれだけ血のにじむ思いをしてきたか。いまさら、言うまでもない。
「休みの日も朝から練習、トレーニング。1日中、ゴルフ漬けです。確かにアメリカにいたら、ゴルフ以外にすることがないって言うのもある。日本でいるみたいに、『じゃあ今日は友達とちょっとパ〜っと遊びに行こうか』なんて言えない寂しさもあるけれど、今となればその環境が僕には良かった」。

99年から着手した肉体改造で、凛々しく引き締まった顎の線が、その証だ。

今回は、過去3勝の今大会出場のためチャーターした小型機で、米ノースカロライナ州グリーンズボロからアラスカ州アンカレジ、ロシアのカムチャツカを経由して、約20時間もの空の旅。
19日の午前4時半に羽田に到着したあと、エアロバイクで汗を流して、すぐにコース入りし、笑顔で18ホールをこなしている。

この日20日の練習日は雨でラウンドこそ見合わせたが、テレビのインタビューに応じたり、コーチの内藤雄士さんの指導のもと、練習場で精力的に球を打つなど、休む間もない。

当然、時差ぼけだ。結局、前夜は3時間しか寝られなかった。
「なんだか、体が宙に浮いているみたい」。
強行軍の中、ホストプレーヤーとしての活躍が期待されるプレッシャー。
しかし、それで弱音を吐くような5年間は過ごしていないという自信。

「世界をまたにかけて戦っている選手は僕だけじゃない。あとで、『ああ、丸山は時差ぼけだったのね』とは、言われたくない。週末には、会場に来てくれたお客さんに、いまの僕にできる最高のパフォーマンスを見せたい」。

3年ぶりの日本ツアー。本番を前に、「当然、勝つつもりでやります」と、丸山は言い切った。

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