記事
住建産業オープン広島 2002
「喜びは、まず父に」
ホが初めて、ゴルフを始めるきっかけとなったのは、父・許在玄さんの影響だ。
ホが、2歳のとき、セミプロ選手だった許さんが、練習場を開業し、レッスン教室を開いた。
そのかたわらで、自然と、ホもクラブを握るようになった。
14歳のとき初めて、近くのコースを124でまわったホは、3年後には、軽く70台を出すようになった。
そのころには、すっかりゴルフにはまり、高2の時には、韓国ナショナルチームのメンバーにも選ばれている。
韓国体育大学4年時には、韓国のプロテストに合格。順調は競技生活を歩むはずだった。
が、そこに立ちはだかったのが、韓国の徴兵制。
男性には2年間の兵役が義務づけられており、ホも例外なくその対象になった。
96年の10月、韓国陸軍入隊から約2年半ものあいだゴルフを離れざるをえなかった。
さらにその直後、ブランクを取り戻そうと、除隊後に再開したハードなトレーニングで、アキレス腱断裂のアクシデント。手術や免れず、再び、クラブを握れるようになるまでほぼ1年を要した。
一時は、「もうやめてしまおうか」とまで思いつめたゴルフの道。
しかし、どんな苦難にも諦めきれなかったホは、かつて日本ツアーでのプレー経験がある林陳漢の指導をあおぎ、試合勘を取り戻していった。
日本ツアーへの参戦を勧めてくれた林プロとの縁も、やはり、父・許さんが結んでくれた。
林プロは、かつて、許さんの弟子だったのだ。
自らも競技経験があり、現在は韓国PGAの競技委員を務める父は、いつも、余計なことはいっさい言わず、「自信を持ってプレーすれば、大丈夫」が、唯一の口グセという。
念願の、日本ツアーでの初優勝。「喜びは、まず、父に伝えたい」
今週、1週間の日本ツアーの休みを利用して故郷に帰り、直接会って、報告をしようか、とも思っている。