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ダイドードリンコ静岡オープン 2002
「最終日、欲を出すのは上がり3ホール」 単独首位の室田淳
とうとう、浜岡名物の浜風が牙をむいた3日目、首位に立ったのは室田淳。「数年前から、欲は捨てた」という室田の、最終日のV争いは、“風の吹くまま”だ。
40歳の半ばを超えたころから、室田は、プレー中に、スコアや、優勝争いのことなど、一切、考えなくなった。
それらのことを考えながらラウンドすることが、「すごく、煩わしくなったから」だという。
「結果ばかりにこだわって、ゴルフをするのに、疲れちゃったんです。スーパースターなら、『明日は、このくらいのスコアで、優勝』とかの計算もできるけど、僕ら凡人が、そんなこと考えたって、ムダ。そのとおりにいくわけないのに欲ばっかりかくもんだから、結局、疲れきっちゃって、だめになっちゃう。…僕のゴルフ人生、もうあとそんなに長くないのに、苦しみながらゴルフしててどうするの?って。だから今はとにかく、楽しくプレーできることだけ、考えているんですよ」
最大瞬間風速23.1メートル。いよいよ、名物の浜風が、本格的に牙を剥いた、この日3日目。
ショットもさることながら、風の影響はグリーン上にまで及び、特に「横からの風が吹いたときのパッティングが、厄介」と室田はいう。
「たとえ真っ直ぐに打ち出せていても、カップの手前で、思わぬ方向に流されたり…。読みどおり切れないから、とっても難しいんです」。
それに対する室田の対処法は、「風が“呼吸”している合間をぬって、打つ」こと。
そして、「あとは、風の神様にお願いしてから打つ。…これしかないね(笑)」
2位と1打差首位で迎えた最終日、「優勝スコアとか、風とか、なんとか余計なことは考えず、そのときの、自分の体調に合ったゴルフが、できればいい。欲を出すのは…、そうだね、あがり3ホールくらいかな」
V争いのゴルフは、“風の吹くまま”だ。