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三井住友VISA太平洋マスターズ 2003

最後のミスもご愛嬌、室田淳のツアー6勝目は大会史上最多差での勝利

「変なとこ見せちゃって、ほんとスイマセン!」
最後のミスもご愛嬌、室田淳のツアー6勝目は大会史上最多差での勝利

あとは何の不安もない、1メートル弱のパーパットを沈めるだけでよかった。それがウィニングパットになる、と本人も確信していた。「あぁ・・・、こういうパットができる自分は、なんて幸せなんだろうなぁ・・・なんて、しみじみ思っていたんだよ」。

だから、感慨をこめて打ったそのパットが、クルリとカップを1回転して自分のほうへ戻ってきたときは、さすがにギョっとした。「・・・・まさか、あれが外れるとは思いもしなかったから・・・(苦笑)」。ショックのあまり、ボールを凝視した姿勢のまま、しばらく動けなかったチャンピオン。照れ隠しに、左手で口を押さえるひょうきんなポーズに、それまでざわめいていた満員の18番グリーンは、たちまち暖かな笑いに包まれた。

30センチもないボギーパットを改めて苦笑いで沈めると「変なとこ見せちゃって、ホントすみません!!」。ホールアウト後は、アテストに向かう通路のところで、ギャラリーに向かってペコリと謝罪だ。

17番でも、グリーン横からのアプローチがほとんど真横に飛んでいくミスで、ボギーを打っていた。しかしこの日の室田にとっては、最後に連発したミスも、もはや問題ではなかった。御殿場の上空を強い風が舞う中、スタート時にあった大量リードを、さらに広げてクライマックスホールを迎えていたからだ。

15番パー4で、右上4メートルのバーディパットを決めた時点で、すでに勝利を確信していたのだ。

室田自身、強い風に悩まされて、この日ピンに向かって打てたのはあわやホールインワンのスーパーショットを放った「7番(パー3)だけだった」苦笑いで振り返ったが、そんな難コンディションの中、最初の6打差をがっちり守り抜いたのだ。

2位と6打差のぶっちぎりは、大会史上最多差での勝利。ツアー通算6勝目は、2001年のカシオワールドオープンから3年連続の勝ち星。

「すべては日ごろの努力の成果です」真顔できっぱりと言い切ってから、すぐに我に返って浮かべた48歳の照れ笑いは、はっとするほど若々しさに満ち溢れていた。
  • 優勝の瞬間を待ってくれていた練習仲間の加瀬秀樹や宮瀬博文、丸山大輔らと照れながら握手「かっこ悪いとこ、見せちゃった!」

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