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三井住友VISA太平洋マスターズ 2004
ダレン・クラークが、今大会5年越しのリベンジを達成して日本ツアー通算2勝目!
楽勝だった。
4打リードで迎えた最終日はショットこそやや乱れたものの、そのことによって予想されるピンチへの準備が万全だった。
前週まで参戦していた、米ツアーとはまったく違う芝質。その対策に今週、クラークは小技の練習に普段より多くの時間を割いていた。
この日朝も打撃練習はそこそこに、アプローチ、バンカーショットに40分。みっちりと取り組んでから1番ティに立った。「その成果が実ったね」。最終18番でもグリーン奥から、急激な下り傾斜のグリーンにむかって、あわやチップインイーグルのアプローチで大観衆を魅了して、余裕のバーディフィニッシュだ。
今大会は、4回目の出場だった。前回出場の99年は、プレーオフの末に2位に沈んだ。
あれから月日がたち、世界各国で勝ち星を重ね、世界ランク12位まで駆けのぼり、舞い戻ってきたここ御殿場コースで、その急成長ぶりを見せつけた。
5年越しのリベンジも達成。
「…いろんな試合に出ているけど、この大会は特に、来るたびにコースセッティングが進化しているし、僕の大好きなトーナメントのひとつなんだ。その試合でこうして勝つことができて、本当に嬉しいよ!」。
この1年で、19キロ減。「世界のトップで活躍する選手は、みなほとんど同じ体型をしている…」。不摂生がたたって、当時100キロを優に超えていた体重を反省し、一念発起で取り組んだダイエットは、週6日間の地道なエキササイズと食事制限の成果だった。
最近は大好きな酒やタバコもごく少量に控えていたが、この日ばかりはそれも解禁。
優勝インタビューが始まるなり、マネージャーが机にアサヒの瓶ビールを置いたとき、すかさずクラークの大きな手がにゅっ、と伸びた。
手酌でコップに注ぐなり、あっという間の一気飲み。
報道陣から、「確か、禁酒していたのでは?」と聞かれたクラーク。
「これはみなさんからはビールのように見えますが、実は色のついた水なんです」と平然と切り返して、北アイルランドの酒豪は茶目っ気たっぷりに笑ってみせた。