記事

ゴルフ日本シリーズJTカップ 2006

片山晋呉が首位浮上

賞金王にとって「ゴルフは趣味」だ。さらに言えば、「ゴルフで優勝争いをすることが趣味」なのだ。

「優勝争いの中にしか、上達の秘訣はない」というのが持論。
そう考えるようになったのは一昨年前、2度目の賞金王についたころからだった。

練習場でいくら球を打っても、初日、2日目にどんな良いショットが出来ても意味がない。
「3日目、4日目の優勝争いの中で試して、実践できたことしか身にならない」。

勝った翌週に30位くらいで平凡に終わるようなゴルフより、毎週毎週、Ⅴ争いの渦中にいることこそ大事。

「ウッズだってそう。彼には、優勝争いがスタンダード。だから、どんどん強くなっていく」。
だからこそ自分も、常にそこにいられるように人一倍の努力を続けてきた。

その成果は今年はっきりと、数字に出た。
今季、メジャー4試合を挟んで19試合に出場して優勝3回、トップ5入り11回。
毎回のように、会場を盛り上げてきた。

しびれるような緊張感の中で、ゴルフをするのも大好きだ。
勝ったその日は興奮で一晩中眠れないが、「そうなれる自分も大好き」と、片山は言う。

勝ち負けは、コントロールできないが、自分自身のことはコントロールできる。
そんな強い精神力の持ち主でさえ、「アップアップしてしまった」のは、連覇をかけてのぞんだ10月の日本オープン。
「あれは反省ですけれど。…そういう、アップアップしてしまった自分さえ好きなんですよ」と、笑った。

この最終戦でも、指定席に居座った。
通算8アンダーは、首位タイに浮上した。
今季4勝目をあげれば、獲得賞金2億円を突破する。
1994年と1996年の尾崎将司と、2001年の伊澤利光に次ぐ史上3人目の記録達成の期待が高まる。

関連記事