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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2006
今年も全員出席の表彰式選手会長・横田真一も登場
今年、11年ぶりのシード落ち。来季の出場権を取り戻すべくのぞんだファイナルQTは、ちょうど今大会と開催が重なった。
そのため、今年不在の横田にかわり、当初は副会長の深堀圭一郎が、今年最後の締めの挨拶をする予定だった。
しかし横田は前日12月2日(土)、ファイナルQTの予選ラウンド最終日にあたる大会4日目に128位で予選落ち。
「・・・予定もなくなってしまったからには、選手会長の仕事を最後までやるのが使命だと」。
最後の任務を果たすため、きゅうきょこの頂上決戦に駆けつけた。
「今年は本当に苦しかったから。今はただ、その時間から開放された、という気持ち。(来季の出場権を失った)実感は、またこれから沸くのでしょうが、今のところはやっと終わったという感じです」。
悔しさはひとまず置いて、27選手の前に立った。
選手を代表して、ジャパンゴルフツアーを支えてくださったスポンサー・関係者と、ファンのみなさんに、今年1年間のありったけの感謝の気持ちを表した。
最後は、選手全員でサインボールを観客席に投げ込んで、サポーターズバッジを手渡した。
先月20日(月)に行われたJGTO(日本ゴルフツアー機構)理事会で、国内外において著しく貢献した者、またジャパンゴルフツアーに貢献したものに対して出場権を与える『新出場資格』の適用が承認された。
2年連続の選手会長をつとめ、ツアーの発展に尽くした横田もこれに該当することが認められたが本人はその日のうちにこれを辞退していた。
もっとも、はじめこの話を聞いたときは大いに悩んだ。
「シードがなかったら、ゴルファーとして失格」とまで思いつめていた本人には、藁をもすがる思いというのが、そのとき正直なところだっただろう。
「人生で、こんなに悩んだ時間はなかったけれど、ゴルフは自分が審判。最後は自分が決断を下すべきだと思った。すごく悩んだけれど、おかげでゴルフの本質に向き合えた。人生観みたいなものまで考えさせられて、こういう経験はもうできないと思う・・・」。
復活をかけて、来季は主催者推薦の6試合と二部ツアーのチャレンジトーナメントから挑戦する。
茨城県・水城高校時代にジュニアで名を馳せ、鳴り物入りで専修大学に入ったもののレギュラーさえ取れず、5時からひそかに“朝練”に励んだ日々を振り返り、「あのときのようにもう一度、一から考え直さないといけない時が来たと思っている」。
できるだけ早い“帰還”を待ちたい。
選手会長・横田真一のはなし
「・・・この1年間、応援をありがとうございました。今年は片山選手が3年連続の賞金王に輝きました。また、韓国のY・E・ヤン選手やインドのジーブ・ミルカ・シン選手が世界で大活躍を果たし、谷原選手は全英オープンで5位に入り、日本ツアーのレベルの高さをアピールできた年だったのではないかと思っています。
我々選手たちも、社会貢献活動や福祉活動を通じて、ただゴルフが上手いだけでなく、社会人として、また人間としてのあり方を考えさせられた年でもありました。
これからもみなさんに、本当の意味で喜んでもらえるツアーでありたいと思っています。
これからも応援をよろしくお願いいたします」(ゴルフ日本シリーズJTカップの表彰式にて)