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つるやオープンゴルフトーナメント 2008
杉原輝雄が、ガンの転移を告白
最近になって、腰に重さを感じることはあった。「だがそれが病気のためなのか、年齢からくるものなのか…。自覚症状はなかった」という。
「リンパ腺に転移していたら…、あと何年生きられるかな」。
深刻な事態を前に、あっけらかんとドンは言う。
がんが発覚したのは97年の12月だった。治療の選択肢は手術をするか、ホルモン療法の2つがあったが当時60歳。
現役にこだわった杉原は、月に1回女性ホルモンの注射を受けることで、がんの数値を抑える方法を選んだ。
その末の転移発覚にも「先生の言うことを聞かずにやってきた僕の責任」と静かに言った。
やはり今後も、手術を受ける予定はない。これまで同様、ホルモン注射と飲み薬を投与しながら、レギュラーツアーへの出場に意欲を見せる。
「来週はクラウンズ。あとマンシングとよみうりと…。ま、それまで生きていたらの話やけれど」と、冗談めかして笑う。
生涯現役にこだわる70歳の目標は、2006年の今大会で惜しくも1打及ばなかったエージシュートと、同年に自身が達成した、68歳と10か月の最年長予選通過を塗り替えること。
「…まあ、みなさんが期待してくださるからそう言ってるけれどね。本当の目標は、元気で出来るだけ試合に出ることかな。出る以上、病気に対抗して頑張りたいんです」と、杉原。
「こうして試合に出られるんだから、それだけでも幸せだよね」。
なにげなく言ったひとことには重みがあった。