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サン・クロレラ クラシック 2007

プレーオフに敗れた鈴木亨

涙にくれるチャンピオン菊池(右)を横目に戦い終えたばかりの18番グリーンを淡々と去る鈴木(左)「今日の経験をバネに必ず復活します!」
「バカだなあ・・・って言われるかなあ」と、苦笑した。この日最終日の5日(日)の夜は、デビュー当時から大先輩として、またよき兄貴分として慕ってきた中嶋常幸のトークディナーショーがある。鈴木も地元・札幌市内の会場に、ゲストとして招かれていた。

何よりの“お祝儀”に、3年ぶりのツアー通算8勝目を持って駆けつけるつもりだったのだが・・・。

プレーオフ3ホールの末に2位に甘んじて、これから会う中嶋の第一声を想像しつつ、それでも胸を張って報告できることもある。

この日は単独首位でスタートしながら、一時はV戦線から脱落。
しかし“小樽のアーメンコーナー”と呼ばれる上がりホールで息を吹き返した。
特に最難関の16番。504ヤードと距離が長い上に、手前に池が大きく口をあけるこのパー4で5メートルにつけて連続バーディを奪った。
土壇場で再び首位を捉えたのだ。

久しぶりの最終日最終組だった。
一度は崩れながら、「5アンダーまでいけば、チャンスはある」と最後まで諦めず、スリリングな展開に持ち込めた。
「優勝争いってほんとうに良いものだなって」。
心からそう感じられたことが、今回の何よりの収穫だ。

もちろん、敗れたことは悔しいに違いないが、「後半の5ホールでよいゴルフできたことを大事にしたい」という41歳は確かに、復活の手ごたえを感じている。

「こういう経験をバネに、鈴木亨はもういちど強くなって戻ってくる。ばら色の40代にする」。
中嶋にも、そう話すつもりだ。

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