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カシオワールドオープン 2001

「明日・・・?どうなるかまったくわからない。また、ショックを受けて帰るんじゃないかな(苦笑)」(単独首位の室田淳)

 遡ること、8年。あれは、ラウンドレポーターを務めた94年のマスターズだった。
 脳裏に焼きついた世界トップのスィング。「今のままの俺じゃ、とうてい通用しない。もっと飛距離が必要と思った」帰国後、スィング改造を決意し、翌年から、本格的に着手。
 「あのときは、2年くらいでできると思っていた。(苦笑)それが、結局6年もかかってしまったね」
 飛ばすためには、高い弾道のドローボールが必要だが、その分、リスクも大きい。また、長年、体に染み付いたスィングは抜けきらず、96、97年にはとうとうシード落ち。どん底を味わって、いよいよ室田は開き直った。
 「一度、自分のものを捨てて、グリップからやり直そう」ウィークに近かった握り方を、思い切ってストロングに変えると、徐々に結果が出始めた。さらに、今季から使い始めた「最高のクラブと最高のボール」のマッチングがハマり、15ヤードも飛距離が伸びて、「今まで飛距離で負けていた選手に、並んだりすると、もう、気持ちよくって!」この日、まわったガルシア、ジャンボをたびたびアウトドライブし「最高に気持ちいい」と、1日2イーグルにも、満面の笑みだ。
 だが、8年ぶりのVに関しては、不安もある。「1日に1回は出るチーピン」と、パッティング。パットは、加齢とともに、タッチがだんだん弱くなり、その対策でクロスハンドにはしているが、プレッシャーがかかるほど、カップに届かなくなる傾向にあるという。
 「明日は、何も考えないでやろうと思うけど・・・。結局、いつもの“自分”が出ちゃいそう。また、ショックを受けて帰るような、気がするなあ・・・(苦笑)」
 4打差のトーナメントリーダーは、ちょっぴり弱気なコメントで、記者会見を締めくくった。

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