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髙橋竜彦は、通算6アンダーの17位
会場では、自分を知らない人はほとんどいなかった。
誰もが「タカハシは、グッドプレーヤーだ」と言ってくれた。
周囲の評価とは裏腹に、技術と体力のなさを痛感したこの4日間でもあった。
「今日はいよいよガソリン切れで・・・」と苦笑していたら、今度は中継局からテレビインタビューの要請だ。
「・・・こんなに丁寧に扱ってもらえるなんて。正直、自分でもびっくりなんです。それもこれも、UBSで勝てたからこそだと思う」。
昨年7月のUBS日本ゴルフツアー選手 宍戸ヒルズでツアー2勝目。
同大会の冠協賛のUBSは、アジアンツアーの賞金ランキングのスポンサーでもある。
「グローバルな企業が日本ツアーのスポンサーについてくださっているおかげで、僕の名前が広く知れ渡ったんです」。
もちろん注目されるだけ、プレッシャーがのしかかる。しかし「その分、やりがいも大きくなる」。
現地の人々の賞賛を受けながらのプレーは、髙橋に大きな力を与えてくれた。
「恥ずかしいプレーはしたくない」。
調子が良くない中で、いちどもオーバーパーを打つことなく通算6アンダーで競技を終えることができたのも、最終日までその気持ちを切らすことなくやれたからこそ。
それは、順位や賞金以上の収穫だった。
「ここに来なければ、絶対に感じられなかったこと。僕にとって、ほんとうに貴重な1週間。ここに来て本当に良かった」と、髙橋は言った。
専属キャディのゲーリーさんの通訳で、開催コースの美しさやコースコンディションの素晴らしさ、アジアンツアーのレベルの高さをカメラを通じて世界に伝えた髙橋。
そして「またいつか、必ずここに戻ってきてプレーしたい」と、インタビューを締めくくった。