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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2008
丸山茂樹は予選落ちにも・・・(第2ラウンド)
「・・・以前の俺なら、来なかったかもね(苦笑)」。
寝不足で目を腫らしながらコースに来て、わずか2ホールを全力で戦ったのは、何より子供の良きお手本になりたかったからだ。
8歳になる奨王くんに言われた。
「最後まで、頑張ってきてね」。
アメリカでゴルフを始め、いまや平均して80台を出し、先日はジュニアの大会で優勝した愛息の言葉がいまは何よりの原動力だ。
「1打1打、精一杯回ってきました」。
99位で予選落ちしたが、丸山は笑顔だった。
ドライバーの調整も追いつかない状態で、ゴルフの内容もまだまだ自信回復にはいたっていない。
それでも、この国内3戦目が精神的な「癒し」となったことは間違いない。
9年目を迎えた米ツアーは、「クリスマスカードを贈る選手が20人くらいは出来た」というが、では夜の食事をともにできる親友がいるかといえば、難しい。
「結局は、社交辞令で終ってしまう」。
文化の壁。そして何より言葉の違いは「プレーにも、2ストロークは影響する」。
その点、日本なら、古くからの大親友に囲まれて伸び伸びとゴルフができる。
「一緒に美味しいものを食べて、愚痴なんかも聞いてもらって・・・。些細なことが、大事なんだな、と・・・」。
それは、逆に丸山を取り巻く者たちも同じで先週の会場で丸山にパットのヒントをもらった桑原克典は、第2ラウンドを終えて2位タイ。
さっそく目に見える形で成果をあげて、「マルのおかげ」と感謝した。
「マルがいると、ツアーの雰囲気も変わるし、ピリっとするよと言われると帰ってきて本当に良かったと思える。そういう言葉に救われているのを感じる」と、丸山はいう。
そんな積み重ねがきっと、そのうちゴルフにも生きてくるのだろう。
次週のコカ・コーラ東海クラシックもエントリーしたことを明かした。
さらに「この分だと多分、次の週も」。
新規ツアーの「キヤノンオープン」までの出場をほのめかした丸山は、しばらくは国内に留まって“リハビリ”に専念することのなりそうだ。
周囲の期待に応えようと、異国の地で踏ん張ってきた9年間。
それだけに、背負う者のつらさや苦しさは痛いほど分る。
「このまま、まだ17歳の遼くんばかりに、期待を背負わすわけにはいかない。僕も少しでも盛り上げられるように。そういう成績を出して、男子ツアーを引っ張っていける立場に早くなりたい」。
早朝のうちに茨木を去る前に、熱く語った。