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日本オープンゴルフ選手権競技 2006
岩田寛が5位タイ浮上
財団法人 日本ゴルフ協会が主催するこの日本オープンは、通常のツアートーナメントと出場カテゴリーが異なる。
たとえ、ツアーのシード選手であっても出場できるとは限らない。
今年の賞金ランク30位までしか権利がなく、当然ツアーの出場優先順位をかけたファイナルQTランクも通用しない。
該当しない選手は、大会独自の予選会を突破するなど、別ルートを踏むしかない。
岩田もそのひとりだった。
予選会ランク9位タイで出場権を得た今年は、今大会2度目の出場。
練習日はショットに不安があったが、東北福祉大の2年先輩・谷原秀人にアドバイスを受けて、蘇った。
「バッグスイングで左脇があいている。締めるようにスイングしていけ」と、言われて調子を取り戻すことができた。
この日の好スコアにつながった。
父・光男さんは現在、シニアの資格認定プロとして活躍している
95年の日本アママッチプレーを制して一念発起した経緯があるのだが、岩田本人がゴルフを始めたのは14歳と遅かった。
中学まで野球少年。
しかし、趣味で始めたスケートボードにハマり、仙台育英高校進学後は野球もやめて、その“技”をますます極めるつもりだった。
それを察した光男さんの叱責を恐れるあまり、つい思ってもみない言葉が出ていた。
「これからは、ゴルフをやりたい」。
きっかけがきっかけだけに、始めたころは、確かに嫌々だった。
しかし大学4年の冬、研修生としてゴルフ場に入り、真剣に練習するようになって本当の面白さに目覚めた。
日に日に上達していくのを実感できるのが楽しくて、それこそ朝から晩までクラブを握った。
そして、いつの間にか本気でプロを目指すようになっていたという。
父・光男さんは、あの星野英正を育てたことでも有名だが、岩田にとっては大学の3つ先輩でもあり、尊敬してやまないプロのひとり。
この日インタビューの途中に、その星野が岩田と同じ通算4アンダーでホールアウトした、という情報が舞い込んできた。
「いちどぜひ、一緒に回ってみたかったから」と喜んだが、残念ながら今大会の決勝ラウンドは2サムの組み合わせになる。
惜しくも前後組とはなってしまったが、それでもジュニア・大学時代を通じてさしたる成績を持たない岩田にとって、憧れの選手とこの大舞台で優勝を争えるのは嬉しい。
「親の欲目ではなく、寛には才能がある」と言ってはばからない光男さんには今週、「期待してるよ」と、言って送り出された。
いよいよ、その実力を開花させるチャンス到来だ。
岩田寛プロフィール
1981年1月31日生まれの25歳。仙台出身。仙台CC所属。
身長177センチ、体重70キロ。
血液型O型。
得意なクラブ「全部、・・・と思うようにしている」。
平均飛距離「300ヤード前後」。
ゴルフの特徴「特にない。すべて普通。しいて言えばオールラウンドプレーヤーかな」。
「寛は、確かに特に特徴はないけれど、すべてにおいてソツのないゴルフをする選手。俺のちっさい版・・・という感じかな」とは先輩・星野の弁
東京のインターミックスゴルフというブランドとウェア契約。ポップで個性的なウェアがコースに映える。