左手首を痛めている影響で、ここのところずっと満足に練習ができなかった。痛みが 悪化しないよう に、練習量を減らしていたのだ。
だが、それも限界。
「このままだと、スイングがバラバラになる一方だ・・・」練習の大切さを改めて思い 知らされた高山は 、今週、再び“練習の虫”となった。
特に力を入れて取り組んでいるのは、100ヤード前後のハーフショットだ。理由はこ の日首位の伊沢と 同じで、ソフトかつスピードのあるグリーンに対応するため。
ハーフショットで打つと、バックスピン量がおさえられ、かつ低めの弾道の球が出 る。スピンがかか りやすいグリーンに対処できる。
しばらく、この練習をしていなかったので、いきなりやるとタイミングがずれる恐れ がある。「だか ら、本番までにきっちり体に覚えこませようと、かなり長く打ち込んでいた」とい う。
同時に、左手の怪我を考慮して、グリップをウィーク気味に握る工夫もした。そうす れば、インパク トのときに球がつかまりすぎず、一箇所に痛みが集中しないのだという。
先週から、病院に行っていない。これからあとのことを考えれば、思い切って休ん で、治療に専念し たほうがいいのは、百も承知だ。
だが先週まで、いちばんの目標だった全英オープン出場がかなわなかった分、高山に は、早くも次な る目標が出来た。
今大会で勝てば5年のシード権と世界ゴルフ選手権NECインビテーショナルの出場権。
「思い切って今週キメて、手の治療はそれから、と思って・・・」と高山。3日目は伊 沢、手嶋との最終 組（11時15分スタート）。「圧倒されないように、最後まで食らいついていく」と気 合いを入れた。

• 高山 忠洋