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マンシングウェアオープンKSBカップ 2008
桑原克典が復活の兆し
最終18番。ティグラウンドと、フェアウェーと、セカンド地点。各箇所で「すべて風向きが違う」という難しい状況で、ティショットを左に曲げた。
第2打は池の手前のバンカー。
対してこの日のピン位置は、いくつかの豊かな起伏を超えた先の、グリーン奥だ。
専属キャディの松村卓さんと、「今日、最後のメインイベントが来たね」と話しつつ、「どこに乗っても難しいけれど、乗せられれば何とかなる」。
良い意味で開き直って打った第3打は手前13メートル。
返しは2メートルの微妙なパーパットが残ったが、これをがっちりねじ込んだ。
この日唯一のピンチも乗りきって「自分に負けたくなかったから。最後も非常に集中して打てた」と、復活の手応えをにじませた。
ツアー2勝の実力者が11年間守ってきたシード権を失ったのは、2006年。
40歳を間近にして「ゴルフの厄年は誰にでもある」と、中嶋常幸らスランプを乗り越えてきたベテラン選手に尋ね歩き、復活の糸口を模索してきた。
ファイナルQTランク22位の資格で参戦する今季は、40歳を超えてからのほうが勝ち星が多いジャンボ尾崎の例を励みに、開幕から「諦めなければなんとかなる。ガッツで行こう!」。
秋にビッグイベントが続く今シーズンは特に、「QT組は前半戦が勝負」とシード復帰に向けて、気合いが入っていた。
それも今回の2位タイで、早々に見通しがつきそうだ。
また今大会は、全英オープン日本予選の第2戦。
同ランクで有資格者をのぞいたランク2位タイにつけて、初のメジャー舞台も見えてきた。
「今回の結果をバネにして、ぜひ行きたいね」。
久しぶりに、さわやかな笑顔を見せた。