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片山晋呉「もちろん、上だけを狙っていきます」

欧州とアジア共催のバランタイン選手権の舞台、韓国・済州島のピンクスゴルフクラブは東京・成田空港から約2時間。羽田から沖縄へ飛ぶよりもむしろ近く、それだけに会場には日本人のギャラリーも多い。また、“カウボーイ・シンゴ”の名は、地元ファンにも有名だ。

通算10アンダーで迎えた最終18番はセカンド地点に向かう道すがらを大きな歓声と拍手で迎えられた。
「片山さ〜ん、頑張って!!」。
声援に、後押しされた。
490ヤードと距離が長く、池がらみの難しいこのパー4で第2打を左手前2メートルにピタリとつけた。
「絶対に入れてよ!」。
大勢の祈りを一身に受けて、慎重にバーディチャンスにトライ。

「・・・入ったと思ったんだけどなあ・・・!」。
わずかにカップを外して悔しがったが、しかめたその表情にも充実感がみなぎっている。

ショットの精度は、日に日にアップ。
グリーンを外したホールは、この日もほとんどない。
打てばバーディチャンス。
今年、新しく編み出したパッティングのグリップも、ますますしっくりと馴染んでいく。

首位は通算18アンダーで、インドのジーブ・ミルカ・シンと、北アイルランドのグレイム・マクドウェル。
少々差は開いてしまったが、「もちろん、明日は上だけを狙っていく」と、きっぱりと言い切った。

その前に“コリアンパワー”を注入だ。
「今日は海鮮チゲだよ!」と、片山。
連日、韓国の郷土料理を楽しんでいるが前夜、訪れた店でたらふく豚の三枚肉を食べたあとにふと目をやると、隣の席の客が美味しそうな鍋をつついていた。
「それ、なんて言う料理?」と聞き出したものの、すでにお腹がいっぱいでそれ以上は入らなかった。
「じゃあ明日、もう一度あれを食べにこの店に来よう」と、キャディの石井恵可さんらと約束していた。

この日は7時45分から、前日2日目の第2ラウンドの残り競技を再開。
続く第3ラウンドは11時50分にスタートした。
長い1日は今晩、大好きなキムチと一緒に温かい鍋をつつくことを想像しながら乗り切った。
最終日はその日のうちに夕方の成田行きに飛び乗る予定だから、今日15日が韓国での最後の晩餐。
美味しい料理に舌鼓を打ち、決戦に備える。

片山が3日目を終えて9位タイにつけるバランタイン選手権のスコア速報はこちら

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