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第2ラウンドは日没サスペンデッド欧州&アジアのバランタイン選手権
だ。片山晋呉が16番のバーディパットを打とうとしていたそのとき。18時42分に日没
サスペンデッドを告げるサイレンが鳴った。
わずかに外して、パーパットをタップイン。
通算6アンダー10位タイ(14日時点、暫定)で、残り2ホールを翌日に持ち越した。
この日のピンクスゴルフクラブは今週、初めての青空。しかし、朝から名物の強風が
吹き荒れて約2時間、スタートが遅れた。
そのため、4人の日本勢のうち唯一、午前スタートだった谷原秀人だけが第2ラウン
ドを終了。
片山のほか、午後組の深堀圭一郎と近藤智弘の3人が、ホールアウトできなかった。
競技は翌15日の7時45分から再開する。
夕暮れが近づくにつれて、この日2日目は厳しい冷え込み。
片山と同組のサンディ・ライルは今年50歳。マスターズチャンピオンも、寒さには勝
てなかった。16番のティショットで手首を痛め、やむなく棄権を申し出た。
さらに3日目は長丁場となり、日本勢の3人にとっても厳しい戦いとなったが、「ま
あ、こんなのは慣れているからね」と、片山は屈託がない。
それよりも、課題のパッティングに光明が差してきたことが嬉しい。
昨年までは「入る気がしなかった」という1メートル前後のチャンスパット。
両の親指をそろえて握る新・グリップで構えた瞬間、「入りそうな気がする」と、思
えるところまでこぎつけた。
以前はインパクトでよくあった「ビリっと電気が走るような感覚」もほとんどなく
なって、今週末がますます楽しみになってきたようだ。
そんな片山とは対照的に、パッティングの迷路にはまってしまったのが近藤だ。
もともとこのオフは、パットに関してさまざまな取り組みを続けていた上に、今週の
グリーンは目が強く、不可解な転がり方をすることがしょっちゅうある。
前半の5番でも1メートルもないチャンスを外して、「自分が読みきれてないのか、
芝の影響なのか・・・さっぱり分からなくなっちゃったよ」とお手上げ状態。
しかし、最後まで諦めたくはない。
翌日は、14番のティーショットからスタートする。
14番までに3アンダーとスコアを伸ばし、イーブンパー56位タイ(14日時点、暫定)
まで順位を上げている前組の深堀圭一郎を追いかけて、最後まで粘りたい。