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日本オープンゴルフ選手権競技 1999

「幸せを感じている」2位タイの鈴木亨

鈴木亨は、1番、2番と連続バーディで、いいスタートを切った。しかし3番、441ヤードのパー4で、「ピンをねらって」(鈴木)打った第2打は、グリーン奥にこぼれてラフの中へ。そこからピンまで1メートル半に寄せたが、これをはずしてボギーとした。続く4番、5番もボギー。この3連続ボギーで、すぐに気持ちを切り替えた。
 「無理してピンは狙わないこと。ラフにいれたらともかく、100ヤードの地点のフェアウェーにレイアップ(刻むこと)して勝負しよう」。

 この転換が、6番のバーディを呼びこんだ。

 546ヤードのパー5で、ティショットを左ラフに打ちこんだが、残り135ヤード地点に慎重に運び、ピン右8メートルに乗せてバーディ。悪い流れを断ちきって、7番ショートでもバーディを奪い、1アンダーまで盛り返した。

 狭いフェアウェーに、つるつるに刈りこまれたグリーンまわり。「ラフにはずすと、大変なことになる。きょうは朝のうち雨が降ったと言うのに、グリーンはすごく速くて止まらないしね。ラフに入っちゃったら、ほんっとにノーチャンスです」。その難しさに思わず、お手上げのポーズだ。

 最後の18番でも、左ラフに入れた第2打がグリーン手前のラフにつかまって寄らず入らずのボギー。「もったいないことをした」と悔やむが、結果は、イーブンパーの 2位発進。

「このコンディションできょうのスタートは大満足ですね」(鈴木)。

火曜日にコース入りしたとき、「感動してしまった」という。

「コースコンディションと、グリーンの仕上がりが素晴らしくて。悪いショットは絶対に受けつけないけど、いいショットに対しては『ハイ、どうぞ〜』といってくれているようなコース。

 こんなコースでプレーできることに幸せを感じましたね」。

 この気持ちの充実が、きょうの好プレーを引き出したのは間違いない。

 しかも、ここは、師匠でもある中嶋常幸が、10年前(1990年)に開かれた同大会で優勝を飾った場所。「ぼくも、次に名前を刻みたい」。鈴木には、発奮する材料が、たくさんあるのだ。

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