１９５３年にカナダ・カップとして始まったワールドカップ。１９５７年には霞ヶ関カンツリー倶楽部で日本初のゴルフの国際試合が開催され、中村寅吉と小野光一の日本チームが世界一に輝いた。１９６６年には東京よみうりカントリークラブで２度目の日本開催となった。この時優勝したのはジャック・ニクラウス＆アーノルド・パーマーのアメリカン・スーパーチームだった。２０００年からは世界ゴルフ選手権（ＷＧＣ）に組み込まれフェデレーションとして取り仕切ることとなった。そしてその翌年２００１年日本開催としては３回目となった会場が太平洋クラブ御殿場コース。アーニー・エルスとレティーフ・グーセンの南アフリカチームが優勝した。さらにその翌年の２００２年メキシコ大会では、日本チーム２度目の優勝を伊澤利光＆丸山茂樹チームが導いた。昨年２００７年大会からＷＧＣを離れて中国・深圳のミッションヒルズ・ゴルフクラブで２０１８年までの長期開催契約を結んでいる。今年はミッションヒルズ・ゴルフクラブに舞台を移して２回目の開催となる。昨年大会では、最終日単独首位からスタートしたアメリカと2位タイからスタートしたコリン・モンゴメリー＆マーク・ウォーレンのスコットランド・チームが通算25アンダーで並びプレーオフに突入。これを制したスコットランドが初めてワールドカップで世界一となった。

そして今年のチーム・ジャパンのメンバーは昨年の賞金王の谷口徹と今年日本人として青木功、丸山茂樹に続き３人目のＵＳＰＧＡ　ＴＯＵＲのチャンピオンに輝いた今田竜二の最強コンビだ。二人は谷口がメジャー大会などへ行った時に一緒に練習ラウンドを行うほどの仲良しコンビ。現地までの移動は別々だったものの、昨日の月曜日会場入りした二人は夕食を共にしていきなりのチーム・ミーティングで作戦会議。明日火曜日の練習ラウンドに備えた。

天候晴れ、気温２４度そよ風が吹く中、朝９時３０分頃から練習ラウンドを開始したチーム・ジャパンの谷口と今田。ワールドランク６２位の今田が谷口先輩をたてて「谷口キャプテン」と今回のチームキャプテンを命名。時折フォアサムとフォーボールのゲーム方式を想定してコース戦略を練る。「やっぱりキャプテンには、良いところで打ってもらいたいので１８番のティ・ショットとウイニング・パットのバーディ・パットは谷口さんですね。」と今田が２日目と最終日のフォアサムの作戦を披露した。つまりフォアサムの１番を含む奇数ホールのティ・ショットは今田竜二が行い、偶数ホールのティ・ショットは谷口徹が行う戦法だ。ワールドカップで使用されるミッションヒルズ・ゴルフクラブのオラサバル・コースは７，２５１ヤード、パー７２。アウトコースにパー５ホールが３つ、パー３ホールが３つある変則コース（インコースはパー５、パー３ともに２つ）。そのアウトのパー５ホールは３、７、９番と奇数ホールに配されている。谷口より飛距離が出る今田のドライバーで飛距離をかせぐ作戦だ。

「コースの状態はいいですね。攻めがいのあるホールも多くいいですね。しかし、先週のフェニックスのコースと比べるとアップダウンが多いのでツアー終盤のコースとしては多少タフですね。」と疲れを隠せないまでも谷口の闘志をむき出すコースレイアウトにニンマリ。「アメリカのコースの芝質とは少し違ってグリーン上でスピンが多少かかりにくいですね。スピードはさほど速くないのにコントロールが難しいですね。」と今田もコースのクセをつかみながら入念にチェックを行う。この日の二人のチームスコア（ベストボール）は５アンダーとまずまず。今大会にはワールドランク上位のタイガー、ガルシア、ミケルソン、ハリントンと強豪プレーヤーが出場していないものの、６位のＲ．カールソン＆１２位のＨ．ステンソンを率いるチーム・スエーデン他ワールドランク上位の選手が出場しているだけにチーム・ジャパンも苦戦を強いられそうだ。だがしかし、今日の練習ラウンドでは二人の息もピッタリでバーディも数多く獲得しているだけにチーム状態も上々だ。

６年ぶり３度目の優勝の期待がかかるチーム・ジャパン。二人の調子と雰囲気からきっと日本のゴルフファンに朗報をもたらしてくれるに違いない。

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