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Philip Morris Championship 1999

「たとえボギー20個してもいいから100個のバーディがほしい」杉原輝雄

4月のデサントクラシック以来、今季2度目の予選通過を果した杉原輝雄は、3日目、3 バーディ、ノーボギーのゴルフで通算4アンダー、26位タイにつけ、地元関西のファンに健在ぶりをアピールした。

 たとえ、下位からのスタートでも、ドン・杉原のもとには、たくさんのギャラリーが集まる。地元関西のファンにとっては、杉原輝雄が元気にゴルフをする姿が見られるだけで、もう満足なのだ。

 しかし、もちろん、本人はそれだけでは納得しない。

「ノーボギー? そんなん嬉しくない。65くらいでまわってノーボギーならいいけど。たとえボギー20個してもいいから100個のバーディがほしいもんね」と厳しい表情できっぱり。試合に出るからには、結果を出さなあかん、と言いたげだ。

 「とにかく、出たからには“完走”しなくちゃいけないというのはあるし、きょうはスコアはま・・・いいかもしれませんが、内容がとても悪い。ほんとなら、5アンダーくらい出さないといけないでしょう。60台出せたからといって、嬉しくもなんともないんです」

 今年62歳。しかも、一昨年前にガン(前立腺)の告知を受けている。

 「いつまでも現役でいたい。手術はしない」と公言。薬の投与で発症を抑えながらツアー参戦を続けていたが、9月のサントリーオープン終了後は両腕の痛みと、目の異常を訴え、一時、ツアーを離れざるをえなかった。

 今週は、その治療あけのレギュラーツアー復帰第1戦。

「予選を通るかどうかもわかれへんかったのやから、まあ、いいけどね。しかしもう疲れた、年でだめですわ」と最後はおどけてみせたが、この人の精神力には、いつも恐れ入るばかりだ。

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