92年ツアーの陳 志明は39歳の脂の乗り切ったワザの冴えを見せ、ツアー開幕戦『第一カップ』で尾崎将、青木、中島の3強を押え切って優勝したのを含めて4勝をあげ、獲得賞金も1億円を突破してランキング3位まで上り詰めた。しかし、翌年の93年ツアーでは左足の故障などでクラブを振るどころか歩行にも苦しむ時期があったりで、夏場に一時戦列を離れたりしたこともあり、一気にランキングは59位まで落ちてしまった。そして当然のことだが平均ストロークも1ストローク近くダウンして72.58(36位)に下がった。この92年ツアーの大活躍はパッティングの好調さによるところが大きいとされ、事実平均パット数は1.807(15位)だったものだが、それが93年ツアーでは1.838(86位)となり、94年ツアーでもほぼ同じ1.837(87位)と復活できなかった。決して体力に恵まれているわけではないから、ショートゲームのコントロール、特にパッティングの好不調はすぐ成績に影響することになる。陳本来のステディで粘り強いゴルフに期待したい。＜1995＞