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コカ・コーラ東海クラシック 2010

藤田寛之はただひとりボギーなしの70をマーク、単独3位に浮上

この日はただひとり、ボギーなしのラウンドが光る。動いた2ホールは、8番で左3メートルのチャンスを沈め、15番で上から1メートルを決めた。

「あとはこらえてラウンドしました」。
難攻不落の三好で、「持ち味が、出てきたかな」と、単独3位浮上に笑みもこぼれた。

シーズン序盤は賞金ランキング1位でツアーを引っ張った。
しかし、とうとう9月のフジサンケイクラシックで今年2勝目をあげた石川遼に抜かれ、かえって肩の力が抜けた。

中盤からスイングの不振を抱え、自らに厳しい男は「こんなゴルフでトップなんて」と、ダメ出ししていたものだ。

懸命の修復の成果でここにきてようやく、また納得いくショットが打てるようになってきた。
特に今週は毎日、師匠にスイングを見てもらえることが心強い。
テレビ中継で解説をつとめる芹澤信雄は藤田のホールアウト時間を見計らい、必ず練習場に顔を出してくれる。

前日2日目には「今の感じをやり続けていけば、いいんじゃない」と、太鼓判を押された。
これまで「逆球が出る」と悩んでいたが、この日は「それも11番のティショットだけでした」と、師匠の言葉にますます信憑性も加わって、最終日も自信を持ってのぞめる。

21歳に刺激を受けた1日でもあった。同組で回った薗田峻輔は、何が起きても泰然自若。
「あの若さでやたらと落ち着いていて、デンとしている」。
それにひきかえ自分はといえば、「恐る恐るのラウンドで、常にドキドキしていて、いったい何十年やってきたんだよ、と」。自らに突っ込みを入れたくなったほどだ。

そんな薗田に「引っ張られた」と感謝した41歳。
「明日も、薗田と回りたかったなあ」と、この日は薗田に1打リードが良かったのかどうか。最終組で迎える最終日にもかかわらず、薗田と組が離れてしまって、そちらのほうを残念がっていた。


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