ひょろりと長身の38歳が、奮闘した。ここ田辺カントリー倶楽部はタイトなフェアウェイを少しでも外せば、深いラフが生い茂る。

「僕も今日のフェアウェイキープは半分くらい。でも、このセッティングで半分なら御の字です。バランスの良いゴルフが出来た」と、つい笑みがこぼれ出る。

うだるような、連日の猛暑にも耐えた。
181センチの身長に、体重70キロは「見てのとおり、ガリガリですから。暑さには、弱いんです」。
ラウンド中は、アミノ酸入りの自家製ドリンクで水分を補給したり、こまめに対策を取ってもやっぱり暑い。
「最後のほうは、もう限界でした」とは言いながら、ボギーなしの３アンダーには充実感がにじみ出た。

シード復帰元年の今年は、４月のつるやオープンで３位。それでも現在の賞金ランキング41位は、10月の日本オープンの出場権にはあと少し、届かない。

だが今大会の上位選手には資格が与えられるし、ここで活躍すれば、可能性はぐっと高くなる。
「暑いのは苦手だけれど、なんとかして出場権を手にしたい。頑張ります」と細い腕で、拳を握った。

• 河井 博大