小雨交じりの強い風の中、567ヤードの最終９番パー５ではボギーを打ったが、落胆はなかった。

むしろ「ナイスボギーです」と満面の笑み。強烈なアゲンストに、３打目はまだ157ヤードも残っており、５番アイアンでグリーン右の崖の下に落とした。
自分の背丈以上もある壁に向かって打つアプローチは思い切りフェースを開き、高いロブショットでどうにか脱出。

５メートルのパーパットは外したが、「あそこはボギーで上出来です」と、清々しい顔で頷いた。

２００５年からの３年間はシード権を守ったが、２００８年に転落。
しかも、出場優先順位を決めるクォリファイングトーナメント（ＱＴ）にも失敗して、八方ふさがりに。

それでも、親しい関係者に約束した「必ず戻ってきます」との言葉どおり、昨年のチャレンジトーナメントで賞金ランキングは６位につけて、ツアーに帰ってきた今季は、開幕から「ずっとゴルフは悪くなかった。これまでなかなか結果には結びつかなかったけど、いつか来ると信じてやっている」。

今年は毎週、初日が鬼門だったが、「今年一番、良いスタートが切れました」と、声を弾ませ「そろそろ、行きたいので。このまま乗って行きたい」。
この日の好発進が、弾みになればいい。

• 白 佳和