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中日クラウンズ 2010

世界記録なるか、杉原輝雄

ドンの偉業達成について、18歳の賞金王も、素直に感嘆の声を上げた。「すべてのスポーツで言えるのは体が資本」。そして同時に72歳へのライバル心(?!)もチラリ。「僕も、第100回大会まで出場できるよう頑張ります!」。

杉原輝雄がこの中日クラウンズで、同一大会で51回連続出場の記録に挑む。
初日の1番ティで、ティショットを放った瞬間に、世界記録が達成される。

しかし、本人は謙虚に首を振る。
「そんな・・・。ミスター・パーマーと比較すること自体が失礼ですね」。

世界中を見渡してみても、同一大会の連続出場記録はマスターズで、アーノルド・パーマーが達成した、50回が最高だった。
それを抜いて、杉原が新記録を樹立しようとしている。

しかし本人は、居心地が悪くて仕方ない。
偉業を成し遂げられるのも、まずは今大会がこれほどに長く続いているからこそ、という考えもあるからだ。
「第1回目の賞金は50万円ほど。当時は、ものすごい金額だった。選手たちはみな、まずはこの大会の出場資格を目指して必死になりました。そういう年が、僕も何年も続いた。僕のゴルフ人生は、クラウンズに育ててもらったようなもの」と、ドンは言う。

22歳で初出場を果たした第1回大会から、今日まで。「よう、これだけ出させてもらえたものだと思う」と、言葉のひとつひとつに感謝がこもる。

しかも、1964年大会のチャンピオン。
「1回しか勝ってないのは、ちょっと不満やけども」とドンらしい貪欲さに、長い歴史に名を刻んだことへの誇りもちょっぴりのぞいた。

もっとも本人には、記録達成へのこだわりはない。
ただ、誰よりも恩義に厚い選手は、周囲の期待の大きさはけっして無視することが出来ない。
「応援してくださる方や、お世話になった方々をがっかりさせたくはない」。
初日の1番ティには、どんなことがあっても執念で立つ。
そのために名古屋入りしてさっそくおなじみの先生に整体の治療を受けたり、体調管理に余念がない。

また大記録にさらなる華を添えたい。
「出来たらエージシュートを目標に。まわる以上は、可能性はゼロじゃないから」。
年齢以下のスコア72を目指す、と公言した。

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