Tournament article
東建ホームメイトカップ 2011
片山晋呉は単独2位に
「自分でも、入ったと思ったんだけど」。
長尺パターが、むなしく宙を泳いだ。
いよいよ3打差で迎えた最終ホールでも、高山が第2打をグリーン奧に打ち込んで、3打目のアプローチもグリーンを捉えることが出来なかったから、片山が3メートルのバーディを決めれば分からなかった。
「・・・入れれば高山くんの心臓を飛び出させられたのに!!」と悔しそうに、「これだけ良いパットを、打っても入らないんじゃしょうがない」と、完全降伏。思わずその場にパターを取り落として、空を仰いだ。
それでも2011年の開幕戦で単独2位だ。最後までリーダーを脅かし、5度の賞金王の風格が確かに戻ってきた。
勝ち星に見放されても、「悔しくなれない」と、何より勝負への執念が戻ってこないことに、苦しみ抜いたこの2年間。
いわゆる燃え尽き症候群は、頂点を極めたものだけが知る悩みも乗り越えて、いよいよ復活の兆しが見えてきた。
この開幕戦で味わった最終日最終組に、「最初にしては最高のスタート。久しぶりにこういう日曜日を過ごして気持ちとか、ゲーム感覚とかやらなきゃいけないことだとか、来るものがありました」。
敗れた悔しさを、上回る充実感に浸っていた。