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東建ホームメイトカップ 2011

片山晋呉は単独2位に

あともう一歩のところで、高山を捕まえそこねた。絶好のチャンスは、17番パー5。3メートルのイーグルチャンスにつけて、高山をヒヤリとさせたのもつかの間だった。
「自分でも、入ったと思ったんだけど」。
長尺パターが、むなしく宙を泳いだ。

いよいよ3打差で迎えた最終ホールでも、高山が第2打をグリーン奧に打ち込んで、3打目のアプローチもグリーンを捉えることが出来なかったから、片山が3メートルのバーディを決めれば分からなかった。

「・・・入れれば高山くんの心臓を飛び出させられたのに!!」と悔しそうに、「これだけ良いパットを、打っても入らないんじゃしょうがない」と、完全降伏。思わずその場にパターを取り落として、空を仰いだ。

それでも2011年の開幕戦で単独2位だ。最後までリーダーを脅かし、5度の賞金王の風格が確かに戻ってきた。

勝ち星に見放されても、「悔しくなれない」と、何より勝負への執念が戻ってこないことに、苦しみ抜いたこの2年間。
いわゆる燃え尽き症候群は、頂点を極めたものだけが知る悩みも乗り越えて、いよいよ復活の兆しが見えてきた。

この開幕戦で味わった最終日最終組に、「最初にしては最高のスタート。久しぶりにこういう日曜日を過ごして気持ちとか、ゲーム感覚とかやらなきゃいけないことだとか、来るものがありました」。
敗れた悔しさを、上回る充実感に浸っていた。

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