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サン・クロレラ クラシック 2011

連覇がかかる、高山忠洋

プロアマ戦では夫(忠洋=左端)とともに、アマチュアの方の盛り上げ役に徹する梢さん(右端、中央が専属キャディの剱持さん)
高山梢さんは、ディフェンディングチャンピオンの妻であり、マネージャーでもあり…。「子供が出来るまでは、仕事と割り切って頑張って勤めようと決めています」。その献身ぶりは、すでに練習日から始まっている。火曜日は練習ラウンドも、大会前日は水曜日に行われるプロアマ戦も、夫・忠洋について18ホールを歩く。

専属キャディの剱持直也さんを立てつつ「剱持さんの、プラスαの仕事をする」。プレーの進行が、出来るだけスムーズに行くようにと旗を持ったり、クラブやボールを拭いたり。
アマチュアのお客さんがナイスプレーをしたら、とりわけ大きな拍手で盛り上げるのも、大事な仕事のひとつだ。
ホールアウト後は靴も丹念に磨きあげる。ホテルに帰れば洗濯はもちろん、栄養管理や交通の手配。荷物のパッキングももちろん、梢さんの仕事だ。

中でも一番難しいのが、やっぱり精神面のケア。
「言って失敗することもあるし、言わないで後悔したことも、今までに何度もあります」。それで言い争いになることも、まれにある。最後には必ず折れてくれる寛大な夫にいつも救われているが、妻の葛藤は尽きない。

今月最初に、夫が日本代表をつとめた日韓対抗戦。キャプテンの青木功も、ツアーきってのおしどり夫婦で知られる。「良いチャンス」と、チエさんに相談を持ちかけた。
「あなた、言いたいことがあるなら絶対に、はっきりと言ったほうがいいわよ」とアドバイスを受けて、少し気持ちが晴れた気がした。
「これからは、夫のためになることなら、思い切って言おうと思いました。出来るだけ上手に、気持ちを伝えられたらいいな、と」。

今週の「サン・クロレラ クラシック」の主催者から、オファーが来たのは昨年末。昨年の表彰式で、夫にお姫様抱っこをされた写真を、ポスターに使わせて欲しいと言われ、大いに戸惑った。
夫は乗り気だったが、妻は渋った。「私は選手でもないし、私なんかが載ってしまってもいいんでしょうか」。
迷いに迷ったが、最終的にOKしたのは、大会のコンセプトに心を動かされたから。

大会特別協賛の「サン・クロレラ」は、青木夫妻をCMキャラクターに起用しており、商品紹介のポスターやTVCMではいつも、青木のそばにチエさんが寄り添っている。
「大会のほうでも、そういうイメージで行きたいんです」と主催者に請われて、心が決まった。
「こんな私でもお役に立てるなら…」。
それに夫にも「ポスターなんか、こっちから載せて下さいと言ったって載せてもらえない。せっかくの機会だし、良い記念になる」と言われて「なるほど、そういう考えもあると思った」と、梢さんは笑う。

もっとも、いざポスターが出来上がってくると、「恥ずかしくて仕方ない」と声を揃えた。とりわけ大会週の今週は、宿泊先のホテルにまでデカデカと貼ってある。
「なるたけその前を通らないようにしている」と夫。
「ものすごくゴルフ好きな人がいらっしゃるようで“あれ、あの人…”と、街なかで指をさされたことが、今週は何回もあります」と、妻も頬を染める。

先々週は2度目の挑戦となった全英オープンで、夫は特にパッティングの調子を崩して帰ってきた。「今の彼は発展途上の状態で、なかなか“連覇を狙います”とは言えないと思います」と、梢さんは代弁する。
ましてコースは難攻不落の小樽カントリー倶楽部だ。ここで連覇を達成した選手はまだいない、という事実がその厳しさを物語っている。
夫は「あいかわらず選手の挑戦意欲を掻き立てる、素晴らしいコンディション」と言うだけにとどまった。
「私もあまり連覇のことを言って、彼を追い込まないようにしたいと思います」と、そこははっきりと、今週のマネジメントは決めてある。
  • 率先してピンフラッグを持つ妻。おしどり夫婦が今年も栄冠を掴めるか……?!

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