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アジアパシフィックオープンゴルフチャンピオンシップ パナソニックオープン 2011

S・K・ホが単独首位に

大会2日目は、時間を追うごとに風も強まる難条件も、カップの1メートルも左を狙って沈めた12番の7メートルや、きつい下りの13メートルをねじ込んだ17番など、合わせて5つのバーディに加えて、ボギーなしの66は圧巻だった。

「昨日は10回、今日は8回。36ホールで18回のフェアウェイキープが出来たので。その差がはっきりと出た1日」と、胸を張ったのが韓国のS・K・ホ。

この日は、グリーンの端っこや、マウンドの上に切られたシビアなピン位置にも、「長い距離は、寄せればいいと思って打ったのが入ってくれた。短いチャンスも同じ気持ちで打てば良かったのだけれど」と、まだスコアを伸ばす余地があったことを匂わせた。

今大会は、昨年も初日に首位発進。「難しいコースには、待って待っていつかチャンスが来るという、僕のゴルフのイメージと大会がマッチする」。
日本ツアーで8勝は、「経験の差かな」との自負がある。
しかし、もう3年も見放された勝ち星は、「年のせいかな」と苦笑する。

今季のジャパンゴルフツアーは15戦中6戦で、韓国勢が独占中だ。母国の後輩たちの中には、ひとまわり以上も年下の選手もいて、39歳はすっかりベテランの域にある。
「今の子たちは、僕よりずっとゴルフが上手。今さら僕が指導することもない」。たまにアドバイスをすることがあるとすれば、「人生相談」。

自身も2006年に家庭を持って、2人の子供にも恵まれた。自らの経験から「後輩たちには何よりもまず家族が大事だ、と。引退して拠り所になるのはやっぱり家族で、結婚も出来るだけ早いほうがいいと、いつも言うんですよ」と、なんだかコメントまですっかりベテランの域・・・?!

「若い子に勝とうなんて、思ってません」と、言った。だが、本心は口ほどにもないということが、判明した。ホールアウト後のレストラン。この日は69で上がってきた後輩の金度勲(キムドフン)と、椅子を並べたときのこと。
「先輩と、優勝争い出来たら嬉しいです」と、初初しく言った金を横目でにらんで「言っとくけれど」と、釘を刺す。
「俺にはまだまだ勝てないよ!」。情熱は枯れていない。「僕にも9勝目のチャンスは十分ある。まだまだ負けない」と、最後はやっぱり勝負師の顔になった。

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