Tournament article
TOSHIN GOLF TOURNAMENT IN Lake Wood 2011
冨山聡(とみやまさとし)が63をマーク
しかも、ボギーなし。スタートの1番、2番でピンチを回避。いずれも2メートルの「嫌な距離」のパーパットをしのいだのが好スコアにつながった。「今日は特にグリーンが読めた。乗ればチャンスを決められた」と、首位と2打差の3位タイに躍り出た。
プロ11年目の今季は、筑波大の白木仁先生を介して、オフに初めて片山晋呉の宮崎合宿に加わった。「晋呉さんにはグリップから、アドレスから何から」。基本から、すべて覆されたが「日本一の人の言うことだから間違いない」と、過去5度の賞金王を信じてひたすら練習を積んで来た。
中でも日々、励行しているのは片山から伝授された「サンドウェッジでの片手打ち」。15ヤードの目標に向かって20分も、30分もひたすら打つ。
通りすがりの選手には、「まだやってるの」と呆れられる。「その練習に何の意味があるの」と聞かれるが「それは直接、晋呉さんに聞いて」とかわす。
「まだ左手1本までは行けてない」。それは、右手のを体が完璧に覚えてから。「晋呉さんに合格をもらうまで続ける」と、根気よく取り組んできた成果は確かにあった。
初めてクラブを握ったのは15歳のとき。地元茨城県で行われたトーナメントを見に行って、憧れたのは尾崎直道。「行くたびにサインをもらって」。地元の県立高校に進んで、「直道さんのようなプロになる」と決めた。
千葉県の中央学院大で3度のタイトル。2001年にデビューを果たした。
1年半の付き合いを経て、2008年12月に女子プロゴルファーの山崎礼奈さんと結婚。1歳半の男の子をもうけて、今がますます頑張り時だ。
スイングのアドバイスはもちろん、同業の奥さんが頼もしいのは夫がふと弱気になったとき。「あなたにはシードを取る力がある。優勝も出来る」と、お尻を叩かれまたいっそうのやる気が出る。
悲願の初Vをかけた週末は、「今日みたいなゴルフは出来ないが、それを目指してやりたい」。重圧に、くじけそうになったときこそ妻の言葉を思い出す。