Tournament article
とおとうみ浜松オープン 2011
6位タイの小林正則もまた、復活にかける
「あのフォローなら、どこまでも転がっていく。あとは風の向きだけ気をつけてチャンスにつければいい」と、楽々のバーディ締めに通算9アンダーは首位と2打差の6位タイに浮上した。
186センチの長身は、もともと飛ばし屋だが「今年はなぜか、いつになく飛んでいる」。
ここグランディ浜名湖ゴルフクラブは、確かに強い風の読みには苦労させられる。
「それでも、OB杭のプレッシャーもないし、コースも平ら。すごくのびのび振れるし、あまり一喜一憂せずに、慌てないでやれば結果が出る」と、最初から踏んでいた。
たとえば586ヤードの18番パー5も、「他の人が気にする右バンカーも、僕にはまったく気にならない。完全に俺向きでしょう?」。
アドバンテージを存分に生かして優勝争いに加わってきた。
プロ4年目の2000年。チャレンジトーナメントで賞金ランク1位に輝き、ツアーの出場権を手に入れて、翌年に初シード入りしたのもつかの間だった。
2年目の2004年に賞金ランクは128位に落ち込み、あっけなくシード落ちを喫した。
飛距離が最大の武器の選手が安定性を求めて試行錯誤を続けるうちに、迷路にはまった。
1銭も稼げない年を何年も経験し、ようやく表舞台に帰ってきたのが今年だ。昨年のチャレンジトーナメントで賞金ランクは3位に入り、今季前半戦の出場権を手に入れた。
シード復活をかけた今年は、「上体の力で飛ばすのではなく、タイミングで飛ばせるように」。スイングを調整し、よりスケールを増して戻ってきた。
絶好のチャンス。予選ラウンドは「落ちるときは落ちる。入れ込みすぎずにやろう」と決めていたが、上位での決勝ラウンド進出にはさすがに気持ちが高ぶる。
「欲の皮、突っ張ってやります」と、腕をまくった。
小林正則(こばやしまさのり)
1976年2月14日生まれ、千葉県出身。
東京学館浦安高から名門・日大へ。4年時にアメリカで武者修行を積み、98年にプロ転向。
豪快な飛距離を生かして2002年に初シード入りを果たしたが、2004年に転落。
長く不遇の時代を経てようやく昨年のチャレンジトーナメントで賞金ランク2位につけ、再び表舞台に。身長186センチ、体重79キロ。